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2006年02月27日

第2回日本料理店全員会議:リー君との懇談

曇りのち少しの晴れ間。

気候が晴天に向けての変わり目となった。

午前8時半、第2回日本料理店全員会議を実施。
前回は鳥取の徳岡さんからの指導と経験からのご意見を
伺い、具体化することを主な目的とした会議であった。
今日は、徳岡さんのご意見を受けて、更に細かい具体化
を行った。今日の会議には、前回親戚のおばさんの葬儀で
欠席したターオ君も参加。

初めに私からいくつかの提案を行う。
(1)人事問題
  ①1名の日本人の料理支援者の援助を受けるようにしたい。
  ②私たちの料理を作っているPHUONGさんを
   厨房料理人として採用する。
  ③「子どもの家」から更に数名の料理人、接客要員を
    採用する。
  ●厨房要員を大人2人+子ども見習い4人程度
    接客要員を4人から5人程度とする。
  ④6月までは昼食のみの業務とする。
   7月以降、昼食と夕食を実施する。
  ⑤営業時間は昼食(午前11時から午後2時)
          夕食(午後5時から午後10時)

(2)3月の団体予約状況
   ・既に団体ツアーからの予約が多数入っている。
     3月は13団体の予約が入っている。
     総人数120人。
   ★4月から9月までは団体ツアーの予約が相当数
     入る可能性がある。団体予約に対応するよう
     厨房と接客の体勢を充実させる必要がある。


次に日本語教師の中村さんからメニューの提案があった。
(1)6月までの昼食のメニュー
   ①肉の定食(25000ドン:200円)
     ●日替わり(肉料理+ご飯+味噌汁・小鉢+香の物)
       ・肉じゃが、トンカツ、豚しょうが焼き、焼肉、から揚げ、
        コロッケ
   ②魚の定食(25000ドン:200円)
     ●日替わり(魚料理+ご飯+味噌汁+香の物)
       ・竜田揚げ、魚の煮物、蒲焼、イカフライ、天ぷら
   ③「子どもの家」定食(30000ドン:230円)
     (フライ・串揚げ・混ぜご飯・小鉢・味噌汁・香の物)
   ④牛丼(25000ドン:200円)
   ⑤カツカレーライス(25000ドン:200円)サラダつき
   ⑥各種麺類(15000ドン:115円)
     ・うどん、そうめん、ラーメン
   ⑦デザート(5000ドン:40円)

    ★小鉢類
      ・おひたし、ごまあえ、白あえ、酢の物、ポテトサラダ、
       マカロニサラダ、厚揚げ、煮豆、揚げ出し豆腐、
       さといもの煮物、レンコン金平、南蛮漬け、
       イカ大根

   ⑧一品料理
(直ぐ出せる)枝豆、漬物、するめ、干し物、サラダ、佃煮、ナムル
        そうめんサラダ
(その日の仕入れで)納豆、さしみ、豚キムチ、玉子焼き
(つくりおき可能)コロッケ、牛すじ煮込み、和え物、魚のマリネ
(その他)揚げ出し豆腐、魚のマリネ、
      刺身の盛り合わせ(いか、かわはぎ)
      たこ酢、いんげんの胡麻和え、
   ⑨飲み物
     ●生ビール
       ・大生 (40000ドン:300円)
       ・中生 (30000ドン:230円)
       ・グラス(20000ドン:150円)
       ・小グラス (15000ドン:115円)
     ●生絞りオレンジジュース(15000ドン:115円)
     ●レモンジュース (8000ドン:60円)
     ●缶ジュース(コーラ、スプライト・・)(10000ドン:77円)
     ●アイスクリーム(10000ドン:77円)
     ●シェイク(トマト・リンゴ・ニンジン・バナナ)
                          (12000ドン:92円)
     ●アイスコーヒー(7000ドン:53円)
       ホットコーヒー(5000ドン:38円)

   ⑩その他
     ・水   食前の水、食後のベトナム緑茶
     ・ごはんのお代わりは自由
     ・おしぼり(冷やす。香水なし)
     ・コースター(「子どもの家」刺繍を使用)
     ・卓上  醤油、一味、妻楊枝、ティッシュ
           (必要な時 ソース、マヨネーズ)

(2)トイレ掃除の重要性について提案
   ・1日5回のトイレ掃除の励行
   ・トイレ掃除実施点検表の提案

(3)伝票の提案
  ・伝票試案を提案する
  ・基本的に1枚の伝票に全ての料理を書き
   提供した時点で記入する
 

午前11時まで話し合う。徳岡さんの様々な提案を
受けて、その具体化、更に長期的な展望を考えて
の第2回目日本料理店全員会議を終わる。

午前11時半、昼食。チャオバンカン(煮込みうどん)
2005年12月29日以来の料理のPHUONGさんの
作ってくれた昼食だった。

午後1時。2ヶ月前に家出をし、路上生活をしていた
リー君が日本料理店へやってきた。


「子どもの家」関係者に『路上などでリー君を見かけたら、小山が
会いたいと言っていた、日本料理店に来るように言って
欲しい』と頼んであった。何人かの人が、リー君に偶然出会い、
日本料理店に来るよう話していた。今日、やっとやってきた。
ラームさんと私、リー君で話し合う。
(小山)この2ヶ月何をしていたの?
(リー君)路上のシクロなどに寝ながら絵などを売っていた。
★リー君の様子を観察するとかなり疲れているようだ。
 衣類はかなり汚れ異臭を放っている。
(小山)シャワーは使っているの?
(リー君)使っていない。
(小山)2ヶ月、家出をし日本料理店の警備員をしないで
    過ごしてみてどう思っているの?
(リー君)自分の考えが間違っていることに気づいた。
(小山)リー君がどのような人生を歩むかは自分で
    決めることだ。路上生活と物乞いで生活するのも
    リー君自身が選ぶこと。リー君も19歳になり
    大人になったのだから、自分の人生をどう歩むかは
    自分でしっかりと考えて決めるように。
     リー君がもし、もう一度日本料理店の警備員と
    して仕事をしたいというのなら、最後の機会を  
    あげる。これは飽くまでリー君自身が自分で考え
    決めることだ。
(リー君)2ヶ月の路上生活は大変だった。自分の考えが
     間違っていることに気づいた。
     もう一度、僕に機会をください。日本料理店の
     警備員をしたい。
(小山)リー君は何故、警備員を辞めて路上生活を
     し始めたのか、その原因を自分で考えるように。
(リー君)ギャンブルにはまったことが原因だと思う。
     ギャンブルのためにお金が必要になり、
     つい、色々と悪いことをしてお金を集め、
     ギャンブルを楽しんだ。
(小山)ギャンブルは1日いくら位使ったの?
     また、儲かったの?
(リー君)1日10000ドン~50000ドン。
     ギャンブルはもうからない。いつもお金が必要だった。
     ★5万ドンは普通の労働者の1日の賃金を超えている。
      
(小山)リー君の気持ちは分かった。日本料理店でもう一度
    働く機会を与えるようにした。条件がある。
     ①今後、絶対にギャンブルをしないこと
     ②真面目に働くこと
     ③悪い友達と付き合わないこと
      約束できる?
(リー君)絶対に約束する。僕にもう一度、機会を与えてくれて
      ありがとう。警備員の仕事を頑張る。

こんなやりとりを1時間ほどした。
リー君は着るものも1着。頭髪も伸びていた。
2ヶ月前に借りてやった下宿も追い出されている。
泊まる所もない。
早速、お金を上げて床屋に行くように言う。
ラームさんにお願いし、リー君の下宿を探してもらう。

リー君との付き合いは長い。10年ほどの付き合いだ。
この10年間、リー君との間には様々な出来事があった。
何度も裏切られた。また、何度も「子どもの家」や
私のところに戻ってもきた。そのたびに成長してきている。
今は19歳。人生の進路を左右する重要な時である。
この時期を踏み外すと『真っ当な人生』を歩むことが
難しくなる。何とか自分の力で努力して仕事をし、
収入を得て自立する道を歩んで欲しい。広い愛情を持って
厳しく付き合っていく必要がある。
どんなことがあっても「切り捨てない」私たちの姿勢が
問われている。今回の家出騒動を契機になんとか
自立に向けて進んで欲しい。
海外支援、国際協力と言う言葉が氾濫している感の
ある今日この頃の日本である。
この12年間にフエでの体験で学んだ私の海外支援、
国際協力の本義は、「人を育てること」に尽きる。
物の支援は、あくまで手段。物の支援自体を目的とした
支援ではありたくない。物の支援も究極的には
「人を育てる」ための手段、方法のひとつである。
方法・手段は目的とはならない。
人を人間として育てると口で言うのは簡単である。
しかし、実際にやるとなると中々大変なことである。
私たちの『強い忍耐力』と『子どもたちに対する
確固とした広い愛情』がなければ出来ない。
こんな境地にたどり着いたのは、この12年間のフエでの
経験・体験のお陰である。これは飽くまで私の個人的な
国際協力・国際支援であるが・・・。

リー君の成長を心の底から願うものである。

午後5時、日本料理店店長のホンさんに「ぬか床」作り
を教える。

5キロのぬか、塩一袋、水4・5Lを混ぜる。
ぬかを炒った入り、塩を水で煮たりとする人もいるようだが
今回は最低限の原則的な『ぬか床」作りとした。
ぬかに塩水がなじんだら、にんにく、唐辛子、昆布、
鰹節などを入れて、更にぬか床をなじませる。
ぬか床が馴染んだら『捨て野菜』(ニンジン、きゅうり、キャベツ)
をいれる。
毎日2回ほど『かき混ぜ』、酸素を補給することを説明する。
ぬか床を「生き物」と考え、愛情をもって育てていくという
気持ちが大事と店長のホンさんに説明する。
1週間ほどでぬか床が出来上がるはずだが・・・・・・・。
どうなるか?

投稿者 koyama : 2006年02月27日 00:26

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