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2005年12月09日

日本システムハウス協会視察団

終日雨。寒い。

トンチンカンホテルの建築工事で電話線が切断される。
このためインターネットが使えず、日記が書けなかった。

午前7時45分、ラームさんと一緒にモーリンサイゴンホテルへ。
日本システム協会(会員社130社)一行4人とフエ科学大へ。
同協会の視察目的は、フエのIT事情である。
フエ科学大学IT科がベトナム中部では最高水準を保つとの
こと。

早速、IT科長のHAN教授と懇談。

フエ科学大学INFOMATION TECHNOLOGY教育の現状を
聴く。学生は1000人ほど。その中で成績優秀な学生10%
を選抜し特別クラスを編成している。授業、教室での会話は
全て英語。授業を参観。
フエ科学大IT科は、理論学習を優先した教育プログラムと
なっていた。実践的な教育はかなり遅れているとの評。

午前10時、フエ省立IT専門学校を参観。
トゥア・ティエン・フエ省の指示で設立されたIT専門センター。
DUNG所長と懇談。
トゥア・ティエン・フエ省(国からも)からの財政措置は相当なもの。
広大な敷地、設備。所長さん以下7人ほどの幹部と1時間ほど
意見交換。

授業は1日2時間、週4日、1年間とのこと。年間授業料700ドルには
驚いた。ベトナムの平均年収は480ドル(2004年)。
年収の2倍もの授業料を払える学生はどんな家庭の学生だろうか?
所長に質問してみた。共産党幹部や高級役人の子どもたちで
大学に入れなかった若者が中心だそうだ。大学に入れるほどの
学力はないが、と言って「お偉い親」からするとその辺の仕事は
させられない。そこでIT専門学校で勉強させるという図式になった
ようだ。授業を参観する。確かに流行の服装、スタイル、装飾品
を身に着けていた。

日本のIT専門学校では1日5時間、週5日間で3年とのこと。
フエIT専門学校の20倍程度の勉強をしている。視察団の
意見では、日本の専門学校を出て会社に採用し、会社で
3年ほど研修してやっと給料が出せる第1歩程度になるとの
こと。現在のフエIT専門学校の水準では到底世界水準の
競争には間に合わないとこと。
その後、種々のカリキュラム、授業内容、学校のシステム
などを聞いてみると、毎月学生を募集しているとのこと。
結局、IT専門家を育ているということよりも年額700ドルの
授業料目当ての「お金儲け」専門学校的な側面が強いとの
感想が強かった。

午前11時半、視察を終え、チャオバンカン(フエ名物煮込みうどん)
を食べに行く。

午後1時45分、省道路建築局付属ソフトウエアー会社を視察。
ほとんど得るものなし。

午後3時、再度、IT専門学校を視察。

午後5時、「越日交流委員会」付属日本語学校を参観。
藤木視察団団長より挨拶。その後、視察団員が
それぞれ自己紹介。学生より質問など話し合いを行う。

午後6時より夕食会。ラームさん、弟のトアン君も参加。

今回の視察団にはホーチミン市から「通訳」が同行した。
S日本語学校の専任講師という肩書きのベトナム人。
しかし、既に視察団がホーチミン市の企業を視察した際にも
通訳が出来ないでいた。ホーチミン市の観光会社と
日本の観光会社との契約で派遣された通訳さん。
ホーチミン市では通訳として役立たなかったが契約上
そのままフエへ同行する。しかし、フエ滞在2日間、
全く通訳が出来ず、全てミンさん、ラームさんが行う。
私と話をしても何を言っているのか分からなかったり
発音、アクセントがしっかりしていないため、聞きにくい。
特にIT関連の通訳は専門用語も多く難しい。
到底この通訳さんでは何の役にも立たない。
フエでは日本の会社がフエの観光会社と提携。
日本語ガイドが付く。結局視察団一行の3日間の
フエ滞在中、通訳・ガイドはラームさんミンさんが
無料で行う。現在のベトナムの観光事情、
日本語教育事情を垣間見る。S日本語学校の
専任講師通訳さんは、視察団がわが日本語学校を
参観中、日本語学校の掲示物などをカメラに写して
いた。「本当はあなたが通訳をする仕事ですよ」
と言ってやりたい衝動に駆られるが我慢。
この専任講師先生は、自分が通訳として大金を
もらって仕事をする立場にあることの自覚ゼロ。
普通の人間なら、自らの「無能」を公然と指摘されている
訳なので、恥ずかしくて人前に出られないのだが。
自らを否定されていること自体に気づかない人間の
悲哀を感ずる。最初は少し腹もたったが、途中で
可愛そうになってしまった。

夕食終了後、午後11時半まで懇親。

投稿者 koyama : 2005年12月09日 05:27

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