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2011年12月31日

ベトナム事務所員会議

(予告) 2012年1月01日00:01に「新春の挨拶」をアップします。

(但し、飲みすぎて寝ないでいればだが・・・・・・)

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終日雨。

午前7時朝食。ブンボー(牛肉ブン麺)

午前8時過ぎ、徒歩でベトナム事務所へ。

ベトナム事務所には、「ザーホイ高校」の校長先生、
ホーチミン青年同盟指導教員などが、新年の挨拶に。

ザーホイ高校には、現在「子どもの家」の子ども2人
(NGA・ガーさん:THUOYトゥオーイさん)が、通学している。
同時に10数年間継続して奨学金の贈呈を行っている。

校長先生から「奨学金のお礼」「東日本大震災」へのお悔やみ
と励ましの言葉があった。

ザーホイ高校は現在1800人・40クラスの生徒が在籍。
昨年度の大学進学率46%。一昨年は33%、3年前は
23%と年々、大学進学率が上がっている。
大学率進学上昇の理由を尋ねる。
校長先生の回答は以下のよう。
①学生が大学進学を希望するようになった
②フエに大学が増えて、大学生を入学させる可能性が増大。
③高校で大学進学のための授業を進めている。
  文科系進学希望者は「文系独自の授業」、理系も同様。
 大学進学に特化した授業を進めている。

  ベトナムもアジア独特と思える「大学進学競争」が深く・広く
進行していることが分かる。ザーホイ高校は、今まで大学進学は
10%程度だった。
ベトナムでは、県立高校の成績順位、従って入学「難易度」が
市民にも公的にも明確になっている。
全国3つしかない国立高校である「コックホック高校」は別格にして、
第1は「「グエンフエ高校」 第2が「ハイバイーチュン高校」、
第3がザーホイ高校となっている。その他、フエ市内にも
いくつかの「私立高校」ができてる。上記県立高校に入学する
力のない生徒たちの受け皿である。その代わり、高い授業料が
必要となる。
巷間では「共産党幹部の馬鹿息子、馬鹿娘が親の見栄と
金に糸目をつけない財力で入学する高校」と言われている。
本当かどうかは、確認していないが、県立高校に入学する
こと自体、難関なことであるのは、事実である。

午前9時。2011年最後のベトナム事務所員会議。


初めにこの間の個人的な活動を報告

(ソン君)地球の歩き方ミニツアーの案内・内田さんの案内
     来年度のツアー日程の作成(バオミンさん少しずつ
     ソン君にJASS観光のノウハウを教えている)
      一昨日、京都へ送る「竹とんぼ」1300個が出来あがる。

(原田)フエ高等師範大学の授業は試験後の休み
     ベトナム事務所訪問者の対応・案内
     石狩・函館作品展の手紙の返事

〔富岡) フエ高等師範大学は休み
     ブライセン専用日本語教室 初級・中級を教える
      静岡青年会館日本語学校中級 13人。更に2名増える。

(古賀)静岡フエ青年会館付属日本語学校中級〔積極的に学ぶ)
    ブライセン中級
     フエ高等師範大学は1月から教える。


(ハン) 全教千葉女性部ツアー案内
      石狩・函館の会関連の仕事
     クリスマス会の運営
     「京滋YOUの会」へ刺繍を郵送
     
(アン)地球の歩き方ミニツアーの案内
     函館の会のカード

(フオン)静岡会館特進クラス4
     ブライセン日本語クラス 初級

バオミンさんから以下の提案説明あり。

①2012年1月から4月までの大雑把な日程
②2012年の地球の歩き方スタディーツアーの一般的な
 日程を変更した。天安山での交流、ボランティア活動など
 新しい取り組みを入れる。
③当面の課題6点を提案説明
  ●テト休暇 2012年1月16日から1月27日まで
  ●バオミンの訪日出張 
    ・2012年1月26日~2月3日
    ・21012年2月14日~2月20日まで以下3名が参加
     東京での「現地報告」〔2月18日)には、
     「子どもの家」のニエム寮母さん(1994年から仕事を
     している。定年退職)
     ハンさん(ニエムさんの通訳)
     現地報告をするバオミン
   ・2012年2月10日頃~2月20日)
    ソン・グエット(日本料理店)は静岡市招請の日本語研修生
    として静岡市へ行く。2月18日の現地報告会にも参加
 ●2012年2月10日~2月20日まで日本料理店閉店。
   接客主任のグエットさんの訪日のため
 ●日本人スタッフへ
   テト休暇中の「動静」については、旅行先・日本帰国日程等を
   バオミンさんに事前に報告して欲しい。
 ●2011年12月31日のベトナム事務所忘年会はしない。
  (先日、内田さんのお陰でホテルへ宿泊したり、海産専門店
   での食事会に全員参加しているので、今年の年末の会は中止)

午前11時終了。

「子どもの家」を代表してタム医師が年末の挨拶に来てくれる



    

午前11時半、バオミンさんと一緒にドンバ市場近くの
眼鏡屋へ。近眼眼鏡があまり鮮明に見えなくなったので、新しい眼鏡
を買う。視力調査5分。フレーム1分で眼鏡が決まる。3500円。
明日、出来上がるという。

午後12時過ぎ、宿舎へ。

料理のセンさんが待っていた。家へ帰ってもらう。

昼食。春雨麺

読書「ヤクザと原発」(鈴木智彦著:文芸春秋)読了。

第1印象。著者は「ヤクザ専門誌」の編集長などを務めた。
本書を読むと、著者自身が「やくざ」ではないか?と思われる
ような行動をしている。
現在は、フリーのライター。主な分野は「ヤクザ」関連の記事を
週刊誌等に書く。

本書は、著者がマスコミ関係者ではあるが、一般労働者と
して福島第1原発に雇われ、1ヶ月程、原発労働者としての
体験と「時計・煙草入れ・携帯」に忍ばせたカメラで写真を
撮り、隠蔽された福島第1原発の実態をレポートしている。
不法・偽装で原発労働者となったのではなく、東芝等の
下請けの孫受けの・・・・・7次ほど下請け会社に採用され
その社員として単純労働に重視した体験。
著者が体験記を書く第1の目標は、「福島原発の作業をしている
のは多くのヤクザ」との噂の真偽を確かめること。
 結論は、沢山のヤクザが単純労働に従事していたことが
分かった。写真には、倶利伽羅紋紋(くりからもんもんー竜の
刺青)をした人間の写真が掲載されている。
第2に福島原発労働の実態はどうなのか?
かなりひどい労働条件。各所に東電の隠蔽・嘘の実態が克明に
記されている。「放射線量」が何シーベルトなどと放射線量で
危険を表しているが、これは東電の策略と著者は断定している。
問題は、汚染度である・・・・・・。
著者が「やくざ担当記者」なので、行動もかなりやくざのような
無鉄砲な行動がある。福島原発の初期に「命がけで」原発現場で
働いた「フクシマ50」として、マスコミで絶賛された50人(実際は
70人くらいだそうだが・・・)の中には、やくざが入っていたことも
確認している。「暴力団排除像例が各都道府県で成立している。
暴力団関係者との会食、ゴルフ、旅行など交際を繰り返すことについて、
警察がその人物に対し「密接交際者」と認定するというのが、現状。
その暴力団を使わなければ、原発事故の初期対応も「ニセ安全宣言」
も出来ない、我が日本国政府ではある。

一読の書。本書を寄贈してくれた
京都の豊田氏に深謝。


読書「あの戦争になぜ負けたのか」
(半藤一利、保阪正康、中西輝政、戸高一成、福田和也
加藤陽子著 文芸春秋)

世間では、かなり「右より」といわれる著者、ニュートラルな
立場で発言する学者などの対談。

最近、日本の軍部の研究、ナチス・ヒトラーの研究、スターリン
ソ連の新しい研究が進んでいる。
本書では、戦争末期の近衛文麿内閣の「大政翼賛会」体制の
時、そのブレーンとなった人たちや、軍部の中にもコミンテルン
(世界共産党)の関係者がいたとの研究もなされている。
元共産党議長だった野坂参三が、ソ連共産党のスパイだった
して、100歳近い野坂を日本共産党は除名している。
戦前、日本軍の首脳の中にソ連・コミンテルンの指示で日本が
ヒトラーと組んでソ連を挟み撃ちしないよう、あるいは、
日本を敗戦に導こうとにする動きがあったとの海外での
研究も始まっているとのこと。

戦前ヒトラーの「我が闘争」が日本でも翻訳されていたが、
一部検閲で削除されていた部分があった。それは、ヒトラーが
「黄色人種ー日本人」は劣等民族・大嫌いだ、と発言している部分。
日独同盟の実態はかなりギクシャクしていたようである。途中まで
読んだが、やはり日本人が世界情勢の中での日本の立ち位置、
情報戦での決定的な劣勢などがあったことが分かる。


2011年を総括的に回顧すると次の言葉が出てくる

「隠蔽」「口先だけで行動なし」「国民の底力」

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2011年 読書録


1月

①「竜馬が行く(一)」(司馬遼太郎著:文春文庫)
②「竜馬が行く(二)」(司馬遼太郎著:文春文庫)
③「生きる勉強―軽くして生きるため、上座部仏教長老と精神科医が語り合う」
   (アルポムッレ・スマナサーラ、香山リカ著:サンガ新書)
④「茨木のり子集 言の葉 3」(筑摩書房)

2月

⑤「読むだけですっきりわかる世界史 近代編「(後藤武士著:宝島社)
⑥「セカンドバージン」(大石静著:幻冬舎文庫)
⑦「非国民のすすめ」(斉藤貴男著
⑧「生活保障―排除しない社会へ」(宮本太郎著:岩波新書)

3月
⑨「戦争と日本人」(加藤陽子・佐高信著:角川文庫)
⑩「毒になる親・一生苦しむ子供」(スーザン・フォワード著:講談社)

4月
⑪「汚名―検察に人生を奪われた男の告白」(鈴木宗男著:講談社)
⑫「「いわずに おれない」(まど・みちお著:集英社)
⑬「杉浦日向子の江戸塾-笑いと遊びの巻」(杉浦日向子著:PHP文庫)
⑭「雑誌 世界 2011年1月号」(岩波書店)
⑮「ルポ 若者ホームレス」(飯島裕子著:ちくま新書)
⑯「分かち合いの経済学」(神野直彦著:岩波新書)
⑰  「戦後を点検する」(保阪正康・半藤一利著:講談社現代新書)
⑱「新版 敗戦前後の日本人」(保阪正康著:朝日文庫)
⑲「生き方の不平等ーお互い様の社会に向けて」(白波瀬佐和子著;岩波新書
5月
⑳『昭和天皇・マッカーサー会見」(豊下楢彦著:岩波現代新書)
21 「それは密告から始まった 校長VS東京都教育委員会」
(土肥信雄著:七つ森書館) 
22 「命と放射能」(柳沢桂子著:筑摩書房)
23 「ルポ 児童虐待」[朝日新聞大阪本社編集部]朝日新聞出版
24「戦後日本の民主主義と天皇制―国民の天皇」(ケネス・ルオフ著:岩波書店)
6月
25「貧困と愛国 増補版」(左高信・雨宮処凛著:角川文庫)
26「新左翼とロスジェネ」(鈴木英生著:集英社新書)
27「原発労働記」(堀江邦夫著:講談社)
28「ブッダは、なぜ子を捨てたか」(山折哲雄著:集英社)
29「無知の涙 増補新版」(永山則夫著:河出書房新社)
30「社会主義の誤解を解く」(薬師院仁志著:光文社新書)
31「自民党戦国史 上」(伊藤昌哉著:筑摩書房)

7月
32 「自民党戦国史 下」(伊藤昌哉著:筑摩書房)
33 「氷川清話」(付 勝海舟伝) 勝海舟著:角川文庫)
34 「安田講堂 1968―1969」(島泰三著:中央公論新社)
35 「神戸ブンド 藤本敏夫のうた プロレタリア文学万年少年が
   たどった軌跡」(和田喜太郎編:出版 アットワークス)
36 「戦後史」(中村政則著:岩波新書)
37 「NGOとは何か?」(伊勢崎賢治著:藤原書店)

8月
38  「原発のウソ」(小出裕章著:扶桑社)
39  「資本主義崩壊の首謀者たち」(広瀬隆著:集英社新書)
40 「母を語る」(石坂啓他著:倫書房)
41 「福島原発メルトダウン」(広瀬隆著:朝日新聞出版)

9月 
42 「会津藩はなぜ朝敵か 幕末維新史最大の謎」(星亮一著:ベスト新書
43 「子どもの最貧国・日本―学力・心身・社会におよび諸影響」
   (山野良一著:光文社新書)
44 「昭和の芸人 千夜一夜」(矢野誠一著 文春新書)
45 「現代ベトナムの国家と社会」(寺本実編:明石書店)

10月
46 「ナチスの発明」(武田知弘著:彩図社)
47 「読む人間」(大江健三郎著:集英社文庫)
48 「新・堕落論―我欲と天罰」(石原慎太郎著:新潮社)
49 「排除の空気に唾を吐け」(雨宮処凛著:講談社現代新書)
50 「無縁社会―無縁死32000人の衝撃」(NHK取材班:文藝春秋)
51 「官僚の責任」(古賀茂明著:PHP新書)
52 「親鸞 生涯と教え」(真宗大谷派学校連合会教科書編纂委員会著
                 真宗大谷派宗務所出版部)

11月
47 「私訳 歎異抄」(五木寛之著:東京書籍)
48 『「心」と「国策」の内幕』(斎藤貴男著:筑摩書房)
49 「橋本主義(ハシズム)を許すな」(ビジネス社)
50 「世界12月号」(岩波書店)
51 「井上ひさしの日本語相談」(井上ひさし著:新潮社)

12月
52 「世界を知る力」(寺島実郎著:PHP新書」
53 「私にとっての20世紀」(加藤周一著:岩波現代新書)
54 「革新幻想の戦後史」(竹内洋著:中央公論新社)
55 「ヤクザと原発」(鈴木智彦著:文芸春秋)

投稿者 koyama : 2011年12月31日 17:54

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