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2011年11月11日

ベトナム事務所へ・ハンさんの誕生会

快晴

午前5時起床。昨夜、午前0時頃就寝。
部屋全体が「カビ臭い」、異臭漂う。

昨夜から洗濯。

フエの洪水で1階の床上まで浸水。いわゆる「床上浸水」というやつ
だ。
1階に18年前から取っておいた活動の記録(写真・報告集・その他)
を置いておいた。全て水浸しになってしまった。
何とも「声が出ない」悔しさがある。
洪水の原因は2つ。
①フエ山岳地帯のダムから一気に大量の放水をした。
 フエではそれほどの大雨ではなかったようだが。
②フエ市内の下水が全くと言ってよいほど未整備。
  ダムからの大量放水と雨の水が流れず、却って
  下水から水があふれ出えてしまい、洪水となったもよう。
  タイ・バンコクと同様、道路にある下水から水が溢れていた
  との話がある。
   我が宿舎は、道路から70センチ以上の高さにあるのだが。

午前7時、朝食。フォー。フォーを食べてなんだかほっとする。
18年間、フエに住むとベトナム料理を食べてほっとするという
人間になってしまった。良いのか悪いのかは分からないが、
事実ではある。

午前8時50分、徒歩でベトナム事務所へ。

ベトナム事務所1階では、ブライセンの中級クラスの授業中。
先生は、古賀先生。毎週、月曜日から金曜日まで週5回の
授業。


ベトナム事務所ではスタッフが通常の業務を真面目に行っていた。

ベトナム事務所にも慣れた古賀先生


お父さんとしての落ち着きと肉体的な貫禄が出てきたソン君。

バオミンさん・ハンさんに日本で預かった奨学金、各種支援金、
刺繍などの販売代金などを渡す。
バオミンさん・ハンさんに一つ一つ説明し、領収書やお礼状などを
書いて送付する打ち合わせを行う。

その後、バオミンさんと二人で私の日本での活動と問題点、
その他、ベトナム事務所のかかえる問題、当面の諸活動
(クリスマス会、2012年現地報告会日程、バンベ編集作業の
進捗状況、バオミンさんのポルトガル出張中の態勢問題・・・・)
を1時間半ほど話す。

午前11時半 昼食  チャオ・バイン・カイン(小麦粉の手打ちうどん)

気温30度  真夏。
衣類の洗濯を何度も繰り返す。毛布などを外に干す。
昼寝ができなかった。

午後2時15分。徒歩でベトナム事務所へ。
途中、ペットボトルやごみを拾っている少年を見る。

16歳だという。母親と二人で生活しているという。
ベトナム事務所に来るように話すが「イヤだ」と言って行ってしまった。
この18年で見違えるほど「豊か」になったフエ。それでもまだ
このような少年がいることも事実である。
「豊かさの中の貧困」。資本主義国でも「社会主義国」でも
「格差社会」という点では、同じである。

午後2時半、ベトナム事務所へ。

ハンさんの00回目の誕生日。今日は、2011年11月11日。
「1」が6回続くお目出度い日である。
ハンさんは18年前のフエ師範大学の教え子。18年の付き合いで
ある。真面目にJASSベトナム事務所の会計をしてくれている。
安心して全てを任せることができる。

「今晩は先生」(通称;フオン先生)からバースデーケーキ贈呈
ろうそくは「1本」。


富岡先生からベトナム事務所スタッフの寄せ書きで出来た
「花」の贈呈
富岡先生もすっかりベトナム事務所の中心的な存在となっている。
JASSの重要な戦力である。


JASSベトナム事務所(10人)、JASS日本料理店(4人)
ブライセンベトナム支社(10人)、合計24人。

ベトナム事務所の3階建ての建物に24人のスタッフが仕事を
していることを改めて知ったような気がした。
何か「重い責任感」を心の奥底に感じる。18年前に私が
フエに来た事で24人の「若者」の人生と生活に責任が
出てきた自分の責任を痛感する。
絶対にどんな困難があっても「逃げることの出来ない」
ことを悟った。

ブライセンには新入社員が5人入り10人となった。
改めて自己紹介。

日本料理店の4人も自己紹介

原田先生が今日の誕生会の全体のコーディネーター


ハンさんから誕生会のお礼の言葉

徒歩、宿舎へ戻る。洗濯の続き。スニーカーを洗剤とぬるま湯に
つける。

読書「世界 12月号」(岩波書店)

「ドンキ・ホーテの時代だったスペイン」(寺島実郎)
今日の混迷した日本を17世紀のスペインの興亡の歴史を
通してみようという試み。TPP問題を見る際の大きな参考に
なった。

『平成の「属国」化 TPPの嘘』(金子勝;慶応大学教授)

今日、野田首相がAPECでTPPへの関係国との協議に入ること
を言明した。

TPPの本当の狙いは何なのか? TPPに参加したらどうなるのか?


午後7時(日本時間午後9時)のNHKニュースで野田首相記者会見を
を見る。

国会は1日だけ。主権者の代表である国会でTPPの件に
ついてきちんと説明しないで、TPP参加の方向をめざしての
関係諸国との話し合いに入るとの態度は、主権在民を
無視した態度である。

野田首相の人間像が見えてくる。TPPに加盟する交渉
といえば反対意見が強い。参加の前の話し合いをするだけ
と「取れる」姑息な手法。
右か左かどちらかをも言わないまま、事実上「TPP参加」表明を
行ったと見た。

アジア太平洋と言っても「中国・インド・韓国」が参加しないで
「アジア」もないものだ。アメリカの子分なので致し方なく
TPPに参加しますとはっきりと言えばいいのに。

朝日など記者クラブの記者の「ピント外れ」の質問に呆れる。
朝日は、TPPの協議に入るのに何故「閣議決定をしなかったのか?」
などという手続き上のどうでもいい質問しかしていない。

テレビ朝日「原則関税撤廃とアメリカが言っているが、どのように
国益に反映するのか? 農業対策は?」

日経「ホノルルに行って、オバマに言うのか? TPPの席で自分の
意見を言うのか?」

TBS「TPP参加に向けて協議するという表現になったのは何故か?」


TPP問題は政府・マスコミ・財界が結託して国民に情報流さず
にファッショ的に加入を進めるという実態が記者会見で暴露された。

フリーのジャーナリストを入れず、記者クラブという『お友だち』
「御用マスコミ』だけと懇談するマスコミと政府の「なれあい」の
実態を見た思いがする。

金子論文は以下。

マスコミは「農業」と「経済」をどちらをとるのか?と問題を
矮小化しているが、実際には24の交渉分野がある。

自動車、農薬の安全基準、高額医療と医療保険
、移民規制、弁護士・医師・看護師などの免許、公共事業の
入札要件の緩和・・・・・。

政府(外務省、経産省)などは、上記の諸問題について
一切の情報を出していない。

金融分野では郵政民営化の郵貯や簡易保険資金の
運用をアメリカ金融機関に割り当てろとの要求が出される。

日本の協同組合などで行う金融・保険業務(共済など)を
アメリカの保険会社にさせよ・・・

医療・保険では、「混合診療」の全面解禁。
お金で医療の質が変る。貧乏人は安いそこそこの医療、
お金もちは高度の医療。国民皆保険制度が崩壊する。

農業問題では、食の安全性が侵される可能性がある。

公共事業の入札の条件緩和。

通信分野では一定の周波数の開放、移民労働の受け入れ。

特にTPPは、「ネガティブリスト方式」という大きな問題がある。
一般的な貿易自由化の場合は、「ポジティブ方式」をとっている。

これこれの品目だけ「自由化しましょう」という方式がポジティブ方式。
TPPは、ネガティブ方式である。この方式は、「これこれの
品目を除き、全ての品目の関税の自由化」という方式である。

TPPで日本の工業製品が伸びるのか?
もともとTPPは、2006年 シンガポール、NZ,チリ、ブルネイの
4カ国で始まったもの。その後、米、豪州、越、マレーシアが
参加に向けて交渉している原状。
これらの国の中で日米でGNPで言えば90%を占めている。
TPPは実質上アメリカが日本市場に向けての貿易外交戦略の
一環であるといっている。
オバマ大統領は昨年の一般教書で今後5年間に輸出を倍増して
200万人の雇用を増やす「国家輸出計画」を打ち出している。
日本のTPP参加はオバマ大統領の人気回復、アメリカの戦略
であると。

農業は壊滅。TPPに加盟し、日本の農業を「大規模化」すべきとの
意見がある。
しかし、実態は以下のよう。
アメリカの一戸あたりの平均耕作面積は約200ヘクタール。
オーストラリアは3000ヘクタール。
それに対し、日本は1、9ヘクタール。いくら「大規模農業」といっても
3000ヘクタールと1、9ヘクタールとの戦いは出来ない。

それやこれやで「TPP問題」の本質は、アメリカの要求に日本国家が
屈するものだというのが、金子氏の論説。
金子氏は近代経済学者、けしてマル経ではないが、最も過激に
TPPに反対の論説を張っている。

午後8時。フダ缶ビールを一本飲む。その後、
京都の玉乃光酒造「純米吟醸 玉乃光」を飲む。
内田さんから頂く。

玉乃光を飲んでいくうちに以下のような気持ちになってきた。

巨人の清武球団代表とナベツネ会長との確執問題だ。
清武球団代表は「やむにやまれず」の記者会見なのだろう。
「不当な鶴の一声」は事実だと思う。

ナベツネ「老害」は、読売新聞だけでなく、某「革新」政党も
同様である。ナベツネの代わりに「ミヤケン」「フワテツ」と
言い換えてもいい。

清武代表は「ナベツネは野球を私物化する」といっているが、
この種の問題は政界、経済界、ボランティア団体など
どこにでもある。老害。「自戒」。

かつての上昇軍団の凋落。スポーツも政治の世界も
同じだ。「余人に代えがたい」と「老害」自身が自分で思い込み
その回りの取り巻き「茶坊主」が持ち上げている間に
「凋落」していくのも「物理的」「客観的な」事実である。


耕から建へ

「老害を 辞めさせて また 新老害」


投稿者 koyama : 2011年11月11日 19:52

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