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2010年11月10日

通常業務

終日・雨・曇り。

午前6時半起床。

軽く柔軟運動(ストレッチ)

午前7時、朝食。ブンボー。


読書「思春期 ポストモダンー成熟はいかにして可能か」
(斉藤環著:幻冬舎新書) 読了。

著者の主張が最後まで見えなかった。残念。
著者は「ニート」「引きこもり」「不登校」「摂食障害」
「自傷行為」などを分析し、『病因論的ドライブ』という
独自の理論を開発した、と称している。
しかし、、『病因論的ドライブ』という自らの精神分析の
仮説について、なかなか説明がないまま、、、『病因論的ドライブ』
という言葉ばかりが踊っている。
最後の方で、、『病因論的ドライブ』という仮説について若干の
説明をしている。結局、思春期の様々な精神問題は、
個人ー家族ー社会という総合的な「関係性」でみていかなければ
ならない。個人の精神的病理としてみるのには、消極的だ
という考えが、著者の、『病因論的ドライブ』論のようだ。
これは、ヘーゲルからマルクスまでの哲学にある
「弁証法」ということを現代用語で語ったようにしか思えない。
物事を静止して捉えず、常に流動し、発展している。
同時に一つ一つの事情を「孤立して」見るのではなく、
関連性で捉え、一つ一つの事情を全体の関連の中に
位置づけて考えるという弁証法的な考え方である。
これは、ニート、引きもり、不登校などを「個人の精神的な
病理」として捉える傾向が精神医学の世界は、増えてきており、
個人の問題・個人の医学的な治療対象としてとられる傾向に
著者は疑問を投げかけ、個人ー家族ー社会の相対的な
人間関係・社会・歴史・経済関係の中で捉えようとする
思考に傾いている。「境界線」と言う言葉。医療の対象ともいえず
社会的な問題も含む、複雑な関係をそのまま受け入れようと
いう姿勢である。何となく分かったようなわからないような
本だった。精神医学会の歴史と諸問題の概要が掴めた
だけでも収穫はあった。著者の基本は、全てアメリカの
理論や経験、研究を引き合いにだしての論理だった点が
気にかかる。日本は日本の独自の社会構造があり、文化と
伝統がある。アメリカの精神分析をそのまま適用すようとしている
点がきがかりではあった。
(古本屋で350円  2007年11月発行)


読書「イギリス近代史講義」(川北稔著:講談社現代新書)
本書を読むきっかけは、日本料理店に来るお客さんに
「どこから来ましたか?」と聞くと「イングランド」
とか「アイルランド」「ウエールズ」などとの答えが返ってくる。
どうして「イングリッシュ(英国)」と言わないのか?との
疑問を持っていた。
本書の解説によると「英国」は「イングランド」を指し、
イングランド・スコットランド・ウエールズをあわせて
「グレート・ブリテン」(大英国)という言葉があるそうだ。

同時に世界最初の産業革命を行い、大英帝国を作り
世界一の「金持ち」になったイギリス。1960年代には、
既に高校生の私の耳にも、「イギリス病」という言葉が
入って来ている。経済停滞・下降で経済発展できない
イギリス。
1970年代には、イギリスに行った日本人が、
「日本の経済発展でイギリスは、貧しくなった」という
「日本脅威論」を聞かされたことも報告されている。
今日、20年にもわたる経済混迷が続き、中国脅威論、
韓国・インドにも追い越されるのではないかと危惧する
多くの日本人がいる。「中国脅威論」「インド・韓国・ロシア脅威論」
が台頭し、日本人全体が「一つの方向」に動いていく危機も
感じている。

経済世界1の座から転落したイギリス人は、当時、何を
考え、どんな行動をとったのか? 多分、今の日本人
と同じ様な「中国脅威論」的な「日本脅威論」のような脅威を
感じていただろう。そうして、イギリスが何をし、今日に
至ったかの「イギリス近代史」を読んで見たい。
本書の始めは「都市」の成立史と社交。


午前11時半、昼食。ご飯とスープ、豚肉の脂を落としたもの

1時間程、昼寝。

読書「「イギリス近代史講義」(川北稔著:講談社現代新書)
2010年新刊書。

著者は大阪大学大学院教授。
ロンドンの都市化の歴史を辿る。キーワードは、「ジェントル」
と社交。貴族や大地主など「労働しない階級」を「ジェントル」と
呼んだ。「ジェントル・ウーマン」という言い方もあったそうだ。
ジェントル階級が、ロンドンに遊歩道つきの大庭園を造る。
そこへ地方の「シェントル階級」の人々が、年に1回集まり
美味しいものを食べ、楽しいことをする社交が始まる。
そうしてロンドンは、50万人の大都市になる。第2位の都市は
2万人程度。17世紀。その背景には、南北アメリカ、カリブ海
インドなどの植民地からの収奪からくる「豊かさ」があった。


バオミンさんと当面の諸課題について話し合う。
バンベ38号の件、ホンニー結婚式参加の件・・・。

筋トレ。多少負荷を上げる。


午後5時、小雨の中、ベトナム事務所へ。


午後5時半、日本料理店でこどもたちと夕食。


大根と豚肉の煮物


スルメ  軽く炙り、少し「こげる」ようにし、醤油をかけ
数日、冷蔵庫で寝かせておく。私が一番好きな「おつまみ」。

「子どもの家」のこどもたちは「こども」が大好きだ。
カナダ来たお客さんの10ヶ月のお子さん。

日本人・欧米系の来客あり。

午後9時閉店。

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報道では

 沖縄・尖閣諸島沖の漁船衝突事件をめぐる映像流出問題で、
10日、神戸海上保安部の43歳の海上保安官が映像の流出に
関与したことを認める話をしていることがわかった。警視庁は、
国家公務員法の守秘義務違反の疑いで事情聴取を開始している。
この海上保安官はNNNの取材に対し、「誰にも相談せず一人で
やった」と話していた。

 事情聴取を受けているのは、神戸海上保安部に所属する男性の
海上保安官。関係者らによると、この海上保安官は9月、
尖閣諸島沖で起きた中国漁船と巡視船の衝突事故をめぐり、
海上保安庁が撮影したビデオ映像をインターネット上の
動画投稿サイト「YouTube」に公開し、流出させた疑いが
持たれている。

 この海上保安官は10日午前、巡視船での勤務中、
神戸市内の港に接岸した後、任意同行に応じ、第5管区海上保安
本部で事情聴取が行われている。

 この事件は4日、「sengoku38」を名乗る投稿者が衝突場面を含む
約44分間の映像を公開したもの。東京地検はYouTubeを運営する
「グーグル」から通信記録を押収して分析したところ、
神戸市内の漫画喫茶から映像が投稿されたことがわかっている。

 この海上保安官はNNNの取材に対し、映像の流出にかかわったこと
を認めた上で、「誰にも相談せず一人でやった」と話した。
また、「映像は元々、国民が知るべきものであり、国民全体の倫理に
反するものであれば甘んじて罰を受ける」という趣旨の主張をしていた。

ということのようだ。

菅内閣は、流失犯人を徹底追及する構え。
鳩山前首相は「官僚のクーデター」と言っている。

たとえは悪いが、今回の尖閣ビデオ流失問題は、
ストリートチルドレンが食べ物がなくお腹がすいて
店のバナナを盗んで食べてしまった事件と似ている。

ストリートチルドレンがバナナを盗んで食べたという目に見える
現象だけ見れば、犯罪である。当然、警察に捕まる事例であるが
更に本質問題を究明すれば、ストリートチルドレンが食べ物を
盗まなければならない状況に追い込んだ大人社会の罪はないのか?
という問題に行き着く。
私たち大人でも食べ物がなければ、最終的には、泥棒をしても
食べ物を口に入れるだろう。

今回のビデオ流失事件は、ビデオを流失させた職員に形式的な
罪はあるかも知れないが、更に本質を考えれば、そもそも菅内閣が
この種のビデオを隠蔽して、30人の国会議員に6分間程度に
短縮して閲覧させたと言う、主権者である国民無視の態度への
抗議である。
海上保安庁職員は、「捕まえてください」といっている。確信犯
である。

尖閣ビデオ自体、それほど国家秘密ではない。
そもそもは、国民に開示すべき情報である。

菅内閣が秘匿し、隠したことに本質的な問題がある。
ストリートチルドレンの食べ物盗みをいくら逮捕してもしても
何ら問題の解決にならないように、尖閣ビデオを国民の
目から隠しても問題の解決にならない。主権者である日本国民を
はじめ中国含め世界中に公開し、何が事実だったのか?
を公開して初めて、公の論争になるのである。
外交上のテクニックで解決できる問題ではない。

菅内閣がビデオ流失の犯人探しに狂奔している様子は
異様で無様である。
既に30人の国会議員に見せているビデオである。
国家秘密ではない。国家公務員秘密漏洩罪での
起訴は難しいし、公判維持も難しいと思う。

むしろ菅内閣・仙谷官房長官は、自らが国民の知る権利を
侵害した犯罪人としての自覚を持つべきである。

試しに海上保安庁職員を起訴しても公判維持は難しいと
思う。海上保安庁職員の起訴の「矢」はブーメランのように
菅・仙谷に返ってくるのである。

木を見て森を見ない菅・仙谷路線は、尖閣ビデオ問題で
墓穴を掘る可能性が濃厚である。

投稿者 koyama : 2010年11月10日 10:28

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