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2008年12月11日

NGAさん誕生会:静大留学希望者面談

午前中曇り。寒い。気温18度。午後、太陽が出る。

午前6時半起床。今朝は珍しく起きられなかった。
ひどい下痢と吐き気。

午前7時朝食。精進料理のブン麺。今日は残す。

午前7時半過ぎ、部屋へ戻りJASS日本委員長の
福田もえ子さんにいくつかのメールを送る。

午前8時半、税田さんから電話。
静岡大学へ留学したいと言う女子高校生と父親・兄・
親戚がベトナム事務所に来ているとのこと。
急いでベトナム事務所へ行く。

1時間ほど、静岡大学や留学、学部、勉強、生活などの
説明をする。

午前10時半、「子どもの家」のNGAさんの誕生日。
里親のK先生から誕生会をして欲しいとの依頼あり。
誕生プレゼントの縫いぐるみを持って「子どもの家」へ。

「子どもの家」では、こどもたちが庭でビー玉をして
遊んでいた。

こどもたちが学校から帰ってきた午前11時、NGAさんの
誕生祝いの会が開かれる。NGAさんは14歳。中学生。
ハノイから来た子供である。NGAは、ロシアという意味。
ソ連社会主義があった頃は多くの北部の人々は
「労働者・農民の祖国ソ連」の名前にあやかりたいと
いうことで「NGA](ロシア)という名前をこどもたちにつけた。

こどもたち全員分の誕生ケーキが用意された。

はじめにセン「子どもの家」運営委員長が挨拶。
NGA(ガー)さんの略歴と今日の誕生日のお祝いを言う。

14本のろうそくに点火。


「子どもの家」のこどもたちもお祝いの拍手を送る。

誕生日のお祝いの「縫いぐるみ」を持ち、寮母さんと記念写真

NGAさんのケーキ「入刀」。

NGAさんの誕生祝いを終わり、昼食。

私もこどもたちと一緒に食事をするが、ご飯が硬く、
油物が多いので少ししか食べられなかった。こどもたちは
「お代わりをしろ」と勧める。


いよいよ昼食が終わるとお楽しみの「ケーキ」となる。
私など食事をした後にケーキなど食べられないと思っていたが
こどもたちは見事に私の心配を杞憂とした。

どんな事情があろうとも世界中のこどもたちは、食べ物と住む所を
心配しないで生きる権利がある。こどもたちを困られせるのは
大人の責任問。
1杯1000円のビール(某国の暴言首相)があれば、
「子どもの家」では30人のこどもたちに1食の食事を
上げることが出来る。

12時半、電動バイクで「子どもの家」から「ハイリーホテル」
へ戻る。

洗濯。しばらく洗濯をしなかったのでかなり溜まっていた。

腹痛・下痢・吐き気が続く。
とにかく横になり、2時間ほど寝る。

その後、読書「貧困の現場」(東海林 智著:毎日新聞社)
を読了。

「壮絶な本」である。学者の数字の統計などと違って
新聞記者が路上に寝て、ネットカフェに2週間寝てと
実体験をしながら、それらの非正規労働者・日雇い派遣などの
実態を明らかにしている。
日本では全労働者の3分の1、若年労働者の半分が
非正規労働者にさせられてしまっているのだ。
たった10年間にだ。小泉構造改革というまやかしの
言葉に乗せされて過ごしたこの10年。その結果である。
フランスでは「社会的排除」という言葉があるそうだ。
これは保守系大統領シラク氏の時代の言葉である。
ワーキングプアー、日雇い派遣、ホームレスなどに
なった人に対し、『貴方は働きが悪いから、怠け者だから、
努力しなかったから」などとうことは言えない、
これらの現象は個人の問題でなく、本人の能力や努力とは
別次元の問題である。社会的な問題であり、「自己責任」」などと
言う範疇にはいる問題ではない』という考え方である。
保守のシラク氏も含めフランスではそれが国民の共通認識に
なっているという。
日本ではホームレスや派遣社員、日雇い派遣などの
多くの人が「市場原理」「競争原理」思想に侵され、
自己責任の結果だと思い込まされている、またマスコミも
含めて自己責任論を振りまいている。しかし、少し冷静に
見れば、路上で寝ている人々を見かける様になったのは
この10年位である。それ以前にはあまり見られなかった
風景だ。労働者派遣法が出来てから更にその傾向が
促進されたことは事実である。
私など講演会などで小型のスーツケースを「ゴロゴロ」
と引きながら大阪・京都・仙台・札幌・新宿・池袋などの
駅を降り、町を歩いていてダンボールのホームレスの
人を見ると「いつか自分もこうなるかもしれない」という
そこはかとない不安を感じることが良くある。
多分これは、私だけではないと思う。
今の日本は、世界金融恐慌でいつ会社が「雇用調整」
するか分からない。日本人はこんな時まで、意味の分からない
言葉を使っている。はっきり「首切り」「解雇」と言えばよいのに
政府・大企業、マスコミまで「雇用調整」という。人間を
人間としてみていない。早い話が、首切りだ。
雇用調整された人は、明日から生活に困り、借金地獄に
落ちるか、不安定な日雇い派遣になるか、ネットカフェか
という危機感を持っている。小泉改革の骨太方針で
毎年社会保障費を2200億円削減している。毎年である。
セフティーネットもあったものではない。仕事がなくなった
途端に路頭に迷う時代・社会に日本は作り変えられて
しまった。郵政民営化選挙・小泉構造改革の実態である。

是非、多くの方々に「貧困の現場」を読んでいただきたい。
理屈は書いてない。貧困の現場をジャーナリストが
10数年体験したルポである。これが日本の見えない
(少しずつ見えてきた)実態・実情である。みんなで
力をあわせ、真面目に働いている人間が、馬鹿を見ない
社会を作らなければならない。

などと思いながら読んでいたら「熱が出た」。

気持ちが悪く日本料理店での夕食を断る。
部屋で1合の米を使って「全かゆ」を作り、梅干し
で食べる。下痢、腹痛、嘔吐あり。

早く寝る。

投稿者 koyama : 2008年12月11日 19:02

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