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2008年02月06日

NPO文化学習共同ネットワーク「フリースペースコスモ」訪問

寒い。非常に寒い。
朝から雪。

午前中、昨日の日記を書く。
ベトナム事務所関係者、JASS日本関係者にいくつかの
メールを送信。


大極さんからお灸が送られてくる。ありがたいことである。
感謝。体を温めることが疲労回復につながるとのこと。


読書「旧約聖書を知っていますか」(阿刀田高著:新潮文庫)読了。
旧約聖書がユダヤ教、イスラエルと言う国にとってどのような位置
にあるのか、概略を理解する。
旧約聖書の構成。創世記はイスラエル建国の神話のような前史。
天地創造・アダムとイブ。ノアの箱舟。バベルの塔。
続いて実際の歴史に入る。アブラハム→イザヤ→ヤコブ→ヨセフ
→モーセ→ヨシュア→ダビデ→ソロモン。
旧約聖書の簡単な解説書ではあるが、イスラエルの歴史が
分かる。複雑な中東問題の見えない深部が少し見えたような
気がした。2000年間放浪していたイスラエル人。その心の
中に相当強い「自分」というのか「自我自己意識」がないと
2000年間の流浪は出来ない。それは別の言葉で言えば、
「自分勝手」とも取れる強烈な自己意識・イスラエル民族
意識ともいえる。旧約聖書では他宗教は徹底的に破壊
している。他者の破壊が自己を守るということにつながる
のかもしれない。日本人とはかなり精神構造の違う
ことは理解した。

読書『噺家カミサン繁盛記」(郡山和世著:講談社文庫)
柳家小三冶のかみさんのエッセイ。
医者の娘で美大の学生と都立高校校長など家族が教育者の
息子の噺家の結婚と弟子を交えて滑稽なエッセイ。

午後2時、自宅を出て新宿経由で吉祥寺へ。
西台駅は雪だった。

池袋・新宿経由吉祥寺へ。
吉祥寺から徒歩、フリースペースコスモへ。
途中、井の頭公園は雪が積もっていた。

フリースペースコスモは不登校・引きこもりの居場所。
1階には「風のすみか」というパン屋を子どもたちが経営。

フエの日本料理店は、このパン屋を真似たもの。




代表の佐藤洋作氏や佐藤真一郎氏などと懇談。
3月に行なわれるベトナムスタディーツアーの内容を検討する。

その後、不登校・引きこもりの子どもたちや若者をフエで受け入れる
プロジェクトに就いて協議。

早急に実現することで意見の一致を見た。
佐藤氏が運営する「NPO文化学習共同ネットワーク」は三鷹市
や厚生労働省の委託をうけて、「みたか地域若者サポート
ステーション」を行なっている。
仕事のない若者の相談窓口となり、
進路相談、仕事体験、心の相談、職業技能講習、
就職セミナー、ハローワークなどへの就職支援機関への
つなげるしとごを行なっている。

また不登校・引きこもりの若者を対象に厚生労働省の
委託を受けて「風のすみか」での実習や神奈川県津久井町に
持っている農場「ニローネ農場」での実習などの事業も行なっている。

私と懇談している間にも東北地方の15歳の若者から電話が
かかってきた。両親も養育力がない、中学を卒業し東京の
新聞配達屋で仕事をしたが、販売拡張の仕事が年齢上
出来ず、クビになり東北の家にいるが、どうしても住み込みの
仕事したい。電話番号を調べる「104」に電話をし
フリースペースを紹介してもらったという。
15歳である。中学を卒業したばかりの子どもが、
「仕事を紹介してくれるところの電話番号を教えて下さい」
と104に電話をした。
まだ子供である。家庭にどのような事情があるのかは分からない
が、家族・親族・中学校の先生、隣り近所のだれか「大人」が
相談に乗ってやれなかったのだろうか?
親も貧しくこの15歳の男のを育てきれない状況のようだ。
今の日本の悲しい現状を垣間見た思いがした。
15歳の子どもが、仕事を探し104に電話をしなければならない
現状は、「貧しい国日本」といわれても仕方がない。

杉並区の和田中で学習塾が入り、成績の良い生徒を更に伸ばす
との名目で公教育が塾を導入している。
勉強の出来る子を更に引き上げることで底辺の生徒も引き上げられる
との理屈。1ヶ月1万円から2万円の費用がかかるという。

東北の15歳の男児。東京へ出てくる費用もないという。
テレビ、マスコミは杉並区和田中を持ち上げている向きがあるが、
日本社会の見えない底流で「東北の15歳男児」が一人で
悩み、模索し、親も含めて相談相手もなく、電話番号案内
「104」にしか相談が出来ないという現実を知るべきである。
二極分化が一層進行している日本の現実である。
佐藤洋作氏と15歳の男児を何とか助けようと話をする。

午後6時過ぎ、懇談を終え、佐藤氏と吉祥寺駅付近で
軽く一杯。外は雪。

自宅着午後10時半。

投稿者 koyama : 2008年02月06日 22:40

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