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2007年08月23日
JASSツアー子どもたちの実家を訪問:ウオータービジョン
晴天。快晴。午後、曇り。
午前4時起床。「放浪記」読了。
85年前の林芙美子の20歳~25歳の生活は
ストリートチルドレンと全く同じ。細かい文字で
500ページ。目が疲れた。この本を通読して一番感じる
ことは、林芙美子という人間の持っている不屈のエネルギー
と社会に対する強烈な批判精神である。貧しさから出てきた
この不屈の精神は、「子どもの家」の子どもたちにも
つながる心持と見た。
午前7時、朝食。ブンボー。
午前8時半。JASSスタディーツアーの皆さんのバスが
トンチンカンホテルまで来てくれた。皆さんと一緒に
「子どもの家」のユイ君とリーさんの実家を訪問し、
家庭の様子を勉強する。
初めにユイ君の家へ行く。家と言っても舟である。
ユイ君の父親は32歳、母親は34歳。子どもは5人。
ユイ君は長男。11歳。次女9歳。通学している。
次男7歳。未就学。三男5歳、次女3歳という
家族。川の砂取りをして月収7000円程度。
家族7人での生活は厳しい。
学校へ子どもを通わせることが大変な両親は長男のユイ君を
「子どもの家」に入れる。ユイ君は3年生。オール5の成績。
「子どもの家」に入り学校へ行ったら勉強が好きだった。
将来は医者になりたいという夢を持っている。素晴らしいことだ。
●ユイ君の父親と懇談するJASSスタディーツアー
●ユイ君家族6人が住んでいる舟。
ここには私が1993年10月に最初に作った「チーラン通り子どもの家」
で生活していたタイ君もいる。現在は結婚して7歳・5歳・2歳の
子どもがいる。
15歳頃はかなり「子どもの家」でも危なっかしい生活をしていたが、
結婚して今は落ち着き、川砂を取る仕事に従事している。
ユイ君の家庭訪問を終え、続いてAーさんの家庭を訪問。
Aーさんの家庭は複雑な家庭だ。
父親が奥さんのほかに女性を作り、子どもが出来、数年前に
両親が離婚。母親についた次女Aさんと長女Bさん(高校2年)は
80歳の祖母と一緒に4人で生活していた。しかし、生活が苦しく
母親の希望で長女と次女の二人を「子どもの家」に入所させた。
しかし、数ヶ月して長女は父親の家庭へ行ってしまう。
父親が再婚し子どもが出来た女性は、かなりお金のある
人だそうだ。長女はお金のある「リッチ」な生活に憧れ
父親と再婚した女性、その子どもが住む家庭に入る。
「子どもの家」ではそうした家庭にB子さん(17歳)が入っても
けしてうまく行かない。「子どもの家」にいなさいと説得を
重ねたが、長女Bさんは、「子どもの家」を家出してまで
父親の裕福な家へ行ってしまった。
これも今のフエの「小バブル」の実態を反映しているように
思えた。子どもたちも大人も「金・金・金」の世界である。
長女も「豊かさ」=「お金」の魅力に取り付かれ、
かな類複雑な父親の家庭へ入ってしまった。
今日は、次女A子どもさんの家へ。80歳の祖母が
一人でいた。母親は甲状腺の病気になりニャチャンの親戚
へ行き治療中とのこと。
80歳の祖母は「お歯黒」をしていた。かくしゃくとしたおばあちゃん。
庭で「ミット」「マンゴー」「パパイヤ」「レモン」
「胡椒」などを作って生活をしているという。1ヶ月2000円の収入
とのこと。
Aさんの実家の家の中に豚小屋があった。メス豚が一頭いた。
子どもを産ませて売り生活の足しにしているとのこと。
メス豚はイノシシのように大きかった。
台所には「五徳」とやかんと鍋があった。実に単純なものであった。
この台所をみれば、祖母がいかに質素な生活をしているかが
想像できる。フエ市内の「リッチ」を自称している一部の人たちは
数百万円の新車を購入し、1回50ドル(6000円)の昼食バイイング
を食べる生活をしている。昨日まで路上の一杯飲み屋で
怪しい蛇酒を飲んでいた「一時成金」が急に友達を連れて
5つ星ホテルのバーに行き1本数十ドルのワインを飲みだす、
などという漫画のような光景が繰り広げされている「小バブル」の
フエである。80歳の祖母の質素な生活とは好対照をなす。
多くの若者や大人が、新車を持ち、高級ホテルのバーで
高いワインを飲む生活に憧れている。かつて私たち日本も
通って来た道ではある。
Aさんは一人「子どもの家」で頑張っている。
長女Bさんもそのうち「子どもの家」に帰って来る可能性が高い。
私たちはいつでも受け入れる体勢を作っている。
Aさんの実家を出ると既に午前11時。
日本料理店へ行き昼食。
昼食は「天ざるそば」。昨日、盲腸の疑いで3本の点滴をした
Yさんも少し体調を持ち直し、日本へ帰国次第病院で再度の
受診検査をすることになっている。
数日前から日本料理店で研修をしているニーさんは
すっかり日本料理店にはまっていた。違和感なし。
午後11時過ぎ、部屋へ戻る。
昼寝。1時間。
午後2時過ぎ、バオミンさんから電話。午後2時半から
「子どもの家」に三島のNGO「ウオータービジョン」
が訪問するとの電話。急いで「子どもの家」へ行く。
午後2時半過ぎ、三島のウオータービジョンの松浦さんを
先頭に13人の方々が「子どもの家」を訪問。
●セン委員長の歓迎の挨拶
●子どもたちの歓迎の踊り
続いてウオータービジョン代表に松浦正美氏の挨拶
ウオータービジョンの出し物(楽器:トーンチャイム)の演奏
●最後にウオータビジョンより衣類、日本の玩具等の支援物資
の贈呈があった。
子どもたちと全員写真を撮る
午後5時過ぎ、交流を終えてホテルへ。
午後6時半。ウオータービジョンと日本料理店で交流夕食会。
私とサンさんが出席。
午後8時半、交流終了。
今日は1日暑かった。湿度も高かった。長い1日が終わった。
投稿者 koyama : 2007年08月23日 23:13