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2007年07月25日
体調を崩し1日寝ている
晴天
気温36度。
体調が悪い。昨日からの喉痛、倦怠感、吐き気(多少緩和)。
考えてみたら今日まで5回の日曜日、連続の仕事が入っていた。
日本へ帰ってもなかなか完全に休む日がなかった。
午前7時、朝食。フォー。さっぱりしていた。頑張って全部食べる。
体力が薬よりも大事。
朝食後、そのまま部屋に戻り寝ていた。午前8時、停電。
エヤコンも電気も消えてしまう。気温36度、湿度60%(廊下)
の中で密封された部屋は熱暑状態。エヤコンを使う部屋は
停電には一番弱い。仕方がないのでそのままベッドに
横たわっている。汗が吹き出てくる。2時間、横になる。
昼食を買いに外に出る。パンとヨーグルト、牛乳を買う。
約30分の外出。午前10半部屋に戻る。横になる。
京都の豊田旅行の豊田さんが岩波ブックレットNO 702
「この時代に生きること、働くことー9・11犠牲者遺族と
ジャーナリストのメッセージ」(中村佑・島本慈子著:岩波書店)
を郵送してくれた。昨日ベトナム事務所に届く。
寝ながら読む。中村佑さんは、2001年9月11日のNYテロで
息子さん(当時30歳:西日本銀行派遣でNY勤務)をなくす。
2006年9月、大阪府豊中市の講演会の記録である。
中村さんは縫製工場の社長をしていた普通のおじさんである。
息子がNYのテロで亡くなり憔悴する。その後、ブッシュ大統領が
テロの復讐として、アフガニスタンにいる『犯人』のビン・ラディンを
捕まえるとしてアフガンを空爆する。その空爆で関係のない
庶民が殺されていくことに疑問を抱く。講演会の最後にアメリカの
アフガンやイラクへの空爆・侵攻は間違っている、憎しみと
テロを増幅させるだけと言い切る。そして、アフガンで活動している
中村哲氏の「弱い人間や他人に関心を持つ」という気持ちこそ
世界から戦争をなくす糸口になると締めくくっている。
中村佑氏の講演は、このブックレットの講演全文を読む価値の
あるものである。中村佑氏は特定の思想を持っている方ではない
ように見受けられた。息子をなくし、テロを一番忌み嫌っている
方である。そうした犠牲者の遺族がアメリカの報復爆撃、
イラク侵略に反対の声を上げている。一般庶民を殺し、
更なる憎悪を増幅させ、収拾不可能な世界を作り出すと
言っている。私たちは中村佑氏の意見に耳を傾ける必要
ありと感じた。
島本慈子さんは、「戦争で死ぬ、ということ」を書き、私も島本氏の
友人である豊田さんから本を贈ってもらい読んだ。
そこで「伏龍特攻隊」を知った。海岸の海にもぐり、
本土上陸する米軍を棒の先につけた爆弾諸共自爆する
特攻隊。
島本氏は、憲法9条を改悪することは、日本の軍産複合体を
作り、日本をアメリカと同じ軍需産業国家に変質させることに
なると警告している。労働者の格差は賃金格差だけでなく
人権格差まで作り出している。これらの格差が日本の軍隊の
海外派兵を可能にすると断言している。下層階級に対して
『自衛軍』に入り海外に行けば、奨学金や大学進学が有利に
なるという条件がつく。これは既にアメリカで行われている。
徴兵制を無理に作らなくても、階層格差社会を創出し、
下層階級に対して上記の条件をつけることで、軍隊に入り
アメリカとともに(正確にはアメリカに代わって)海外で
空爆をし、地上戦を闘う日本軍を作ることになると警鐘を乱打
している。戦争の本質は人間をばらばらに砕く残虐性と
人間の復讐心の増幅だと言っている。
70ページほどの小冊子だが、内容豊かな本である。
2時間程で読了。
昼食はパンとヨーグルト、牛乳。
午後1時間ほど寝る。
夕方まで読書
「小三冶名席」読了。古本屋で400円で買った。
読んで楽しかった。私の最高の娯楽。
落語を文章で読んでもゲラゲラ笑ってしまった。
「野ざらし」。三遊亭円遊の野ざらしのテープをベトナムで
毎晩聴いていた。ほぼ円遊ベース。
「道具屋」
「居残り佐平次」。志ん朝のテープを何度も聴いたが
ほぼ同じ。
「金明竹」。これは前座噺だが、面白い。本を読んでも
つい笑ってしまう。また、かなり専門的な知識がある
人が作った噺でもある。
「寿限無」と同様「同じ言葉」を繰り返すところに可笑しさ
が出るのだが、その同じ言葉は、書画骨董の世界に相当
造詣の深い人でないとその意味が分からない。
寄席では前座が簡単に話すが内容は以下のことが
理解できないとこの噺の面白さも理解出来ない。
「・・・中橋の加賀屋佐吉方から参じましてん。先渡仲買の
弥市が取り次ぎました道具七品のこってござります。
佑乗・宗乗・光乗三作の三所物、備前長船のじゅう則光、
横谷宗眠四分一ごしらえ小柄付きの脇差、この脇差な
柄前が鉄刀木(たがやさん)や言うておりましたが、
あれ埋れ木やさかい、木ィが違っております。
ちょっとお断り申し上げます。自在は黄檗山金明竹、寸胴
(ずんど)の花活(はないけ)には、遠州宗甫の銘がござりま。
織部の香合、のんこの茶碗、「古池や蛙飛び込む水の音」
いいます、風羅坊正筆の掛物、沢庵・木庵・隠元禅師
張交ぜ(はりまぜ)の小屏風、この屏風な、わいの旦那の
旦那寺が兵庫におまして、兵庫の坊さんえろう好みます屏風
によって、兵庫へやって、兵庫の坊主の屏風にいたしますと、
かよう言付けおまんねんけど」。
・佑乗、宗乗、光乗三作の三所物(みところもん)。江戸時代の
刀装。後藤佑乗・・。目貫、笄(こうがい)、小柄(こづか)の三種を
同一人物に作らせることが流行った。
・備前長船。岡山県の地方名。刀鍛冶で有名。
・横谷宗眠。江戸時代の彫金師
・鉄刀木(たがやさん)。黒と赤の模様がある木。銘木。
・埋もれ木。宮城県の広瀬川で取れる炭化した木。
・織部の香合(こうごう)。安土桃山次第の茶人。古田織部の
作った香を楽しむ容器。
・風羅坊正筆(ふうらぼうしょうひつ)。松尾芭蕉が本当に書いた
・沢庵、木庵、隠元禅師張り交ぜの小屏風。禅宗のお坊さんが
書いた書画を貼った屏風。
「天災」
「千両みかん」
「粗忽長屋」
「死神」
午後7時から「恋文」(荒木とよひさ、俵万智著:中公文庫)
を読む。
投稿者 koyama : 2007年07月25日 19:32