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2006年11月18日
とても寒い
終日曇り
昨夜から急に寒くなった。ベトナムに13年住んでしまうと
「寒さ」には、本当に弱くなった。フエでは20度でも
寒い・寒いと言っている。20度を割ったら大変だ。
フエ人は、セーター、ジャンバー・手袋・襟巻きと防寒態勢に
突入する。こんな暮らしをしてしまうと、昨夜からの寒さは
到底耐えられない。我が家はどういう訳か「暖房を使わない」
という教条・原理主義者がいる。
この寒さの中、暖房なしでの生活。対策は「布団」の中にいること。
庭先の寒椿が一輪咲き始めた。
午前中は、布団の中で読書。
「セックスボランティア」(河合香織著:新潮社)を読了。
以前、新聞の書評欄に紹介が載っていた。書店に
入ったら「上製版」しかなく高かったので買わなかったが、
2006年11月1日出版で文庫本となったので買う。
セックスボランティアという題名だけ読むと、多少いかがわしい本
なのかとも思える。しかし、内容は障害者の性の問題をルポしな
なら、人間と性、そして人間とは一体何なのかを追求しようと
したものだった。作者・ルポライターの河合さんは、『1974年岐阜県
生まれの32歳。神戸市外国語大学ロシア語科を卒業。福祉や
児童問題などのノンフィクションを執筆』と経歴にある。
わが子と同じ年齢だ。
障害者は優性保護法で長い間差別されていた。「不良の子孫の
出生を防止することを目的に1948年に制定された。
遺伝性の精神疾患や顕著な遺伝性身体疾患に加え、遺伝性で
ない精神障害者や知的障害者にも本人の同意なしで生殖機能を
絶つことが出来るという内容だった。
1953年に出された厚生省のガイドラインでは、審査に基づく
優性手術は、本人の意思に反して行うことが出来、やむ得ない
場合には、拘束しても麻酔を使っても騙してもいいと明示されて
いた。・・・・・・・この法律は96年に改正されたが、長い間の
歴史の中で積み上げられて来たマイナスイメージを払拭する
ことは容易でない。従って、優性保護法が改正されてもなお
障害者は子どもを作ることすら認めらないという現状があるの
です。・・・・・・更に優性保護法でさえも、卵管や精管のけっさく
(結ぶという意味)、切断しか認めていないかったのだが、
月経の介護の軽減を名目に、女性障害者に対して
子宮摘出手術が行われた事例もある」(著書より抜粋)
こんな現状にある障害者の性の実情はどうなているのか
ということが、著者のテーマである。
竹田芳蔵(69歳)。身体障害程度1級。脳性まひ、
両上肢機能障害者(日常生活動作不能)、
移動機能障害者(歩行不能)、気管切開により
酸素吸入器常時使用、言語障害。
車椅子生活である。50歳のとき、池袋の風俗店を
15軒回り断られ、16軒目で受け入れてもらい、
初めて女性とセックスをする。彼の入所している介護施設の
職員に頼んで連れて行ってもらったという。
酸素吸入器を外してまで風俗店に行く、竹田さん。
死ぬかもしれない。
NPO団体の代表である主婦が障害者のマスターベーション
を手伝うボランティアをしている。手足が使えない障害者。
性欲はある。
女性障害者向けの「出張ホスト」。
オランダ「SAR」の取り組み。障害者に公費を支給し、
売春婦や障害者の性の悩みを解消するためのボランティア
などを呼べるシステムの調査など、私にとっては、全く知らない
世界だった。
著者が言いたかったとは、障害者にも性欲がある
という当たり前のことではある。今まで障害者には性欲はない
といわれ、介護や医療の世界では、全く問題になっていな
かった領域であるが、多くの障害者を訪ねてインタビューをする。
多くの障害者がこうした問題で家族や関係者に迷惑をかけたく
ない、として性の問題を口に出さないで来たことへの警鐘本
ともいえる。オランダでは、一般の主婦・大学生などが、
無料・有料で障害者へのセックスボランティアをしている。
合法的である。日本でも一部ではあるが、NGO・NPOなどで
セックスボランティアが始まっているという。
私の全く知らない世界の一部を垣間見た思いがする。
一読の価値あり。
午後12時。あまりに寒いので「板橋温泉」に行く。
板橋温泉は、地下1500メートルの温泉をくみ上げている。
温泉は200万年前の海水である。当時、地球は氷河期と
温暖期を繰り返していた。有機成分一杯の海水温泉だと
表示には書いてあった。当時、板橋本町あたりは、海だった
ことだけは分かる。
入湯者は少なかった。温泉(何種類もある)にゆっくり入浴。
この2週間ほどの疲れが取れたような気分になる。
食堂で生ビール2杯。休憩室で昼寝。その後、読書。
休憩室の横に「骨密度測定器」なるものがあった。1回100円。
試しに測定する。かかとをハンマーが3回たたく。
その振動で骨の密度を測るようだ。結果はABCDEと5段階。
Aは最上。Cは普通。Eは問題大いにあり。私はどういう訳か
Aだった。
その隣に体内脂肪・筋肉量等測定器があった。ついでに
これも試してみた。
体重(BMI):普通体重
体脂肪:非肥満
内臓脂肪:注意
筋肉レベル(1~8) 総合 7(多い)
腕 8(多い)
足 6(多い)
筋肉が相当落ちていると感じていたが、
この年齢の平均からすればまだあるということなのか?
ベトナムでダンベル・バーベルを部屋に置いて、
短時間ではあるが、筋力トレーニングをしている。
出来るだけ歩くことを心がけている。
「お金をかけずに」筋力と体力を維持しようと思っては
いる。今、私が病気になったら子どもたちや
ベトナム事務所スタッフなどに迷惑がかかる。
できる努力をして体力と健康を何とか維持したいとは
思っている。内臓脂肪は『飲酒』であることはっきり
している。100円の測定器である。信憑性は疑問。
午後5時過ぎ地下鉄西台駅に。
「99ショップ」へ。太く長い大根1本99円。葉っぱをたくさん
つけたカブが4本で99円。油揚げ4枚で99円。安いので
買った。
カブの葉とカブ、油揚げのごま油の炒め物を作る。
美味しかった。
夜、あまりに寒いので湯たんぽを入れて寝る。
投稿者 koyama : 2006年11月18日 12:01
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