« 地球の歩き方ツアー(Ⅲ)ナムドン山岳地帯へ | メイン | フエ中央病院小児科医長懇談  »

2006年09月03日

「子どもの家」入所希望者自宅訪問 地球の歩き方ツアーホーチミン市へ

快晴。蒸し暑い。

午前8時。TBSテレビ取材団、私の部屋での生活を取材。

午前9時。「子どもの家」入所希望者の自宅を訪問する。
バオミン・ベトナム事務所長、ロック寮長、日本料理店
ボランティアの仙波さん、平田さんも同行。
TBS取材。

トンチンカンホテルから車で20分。キムロン地区へ。

Aさんの家庭を訪問する。
Aさんは40歳。8ヶ月前に妻をガンで亡くす。
1年半ほど前までフォン川の船上生活者だった。
現在は、アルバイトで船に乗り砂や砂利を取る
仕事をしている。日当35000ドン(200円)。
かなり厳しい肉体労働なので3日働くと2日ほど
休む。背骨に異常があり厳しい肉体労働は出来ないが
家庭を守るために砂・砂利取りをしている。

子どもは5人。祖父(90歳)と姉の子どもも同居している。
8人家族。月収は60万ドン(4000円程度)。
収入が低く家族8人が生きていく事は出来ない。
食事などは90歳の祖父と父親がしている。

長男は15歳。経済的理由で小学校6年退学。無職。求職中。
長女14歳。 経済的理由で小学校5年退学。ミシン研修。
次男12歳。小学校6年生通学中。
次女8歳。小学校3年通学中。
3男6歳。小学校1年生。

次男(12歳・6年生)と次女(8歳・3年生)を「子どもの家」に
入れて欲しいとのこと。父親は読み書きが出来ない。
今、通学している子どもたちだけは、何とか学校へ行かせたい
という切なる希望を持っている。
次男・次女に入所する気があるかどうかを確認。
入所したいとのこと。

出生届けを探す父親


6畳ほどの部屋で家族8人が寝て生活している。客観的に
みて今の状況では子どもたちは通学は無理と判断。
2人の入所を認める。9月5日午前8時に「子どもの家」へ
入所することとなった。

近所の子どもたちがたくさん集まってきた。


更に車で30分国道1号線を北上。純農村地帯へ。
農村のBさんの家へ。

両親と5人の子ども。母親は病気で通院。
父親は農業と工事の手伝い。月収は60万ドン(4000円)。

長女(17歳) 高校3年生
次女(15歳) 高校1年生
3女(13歳) 中学2年生
長男(10歳) 小学校5年生
次男(7歳) 小学校2年生

父親は自分が学校へ行っていないので子どもたちだけは
何とか学校へ行かせたいと言っていた。

次女(15歳)は高校1年生でフエ科学大学への入学が
決まった秀才。

ベトナム教育訓練省は科学振興のため、理系で優秀な
中学3年生を選抜し、大学へ入学させ、15歳から大学教育を
行う「飛び級」を試行している。
こうした方針に従ってトゥア・ティエン・フエ省(人口100万人)
では、全省で23人の理系の秀才を選抜。15歳の次女も
中学3年生で理数系が優秀と認められ、23人の中に入る。
9月5日にはフエ科学大学入学にが決まった15歳の次女は
「家が貧しく食事も十分出来ない家庭の中で自分だけが
15歳で大学にいくことは出来ない。入学を辞退して、家事の
手伝いをする」と言い出した。父親は何とかして優秀な次女に
学問をさせたいと願い、村長と相談。村長から「子どもの家」に
入所依頼状が来たという次第である。けなげな次女である。
昨日、ナムドンの滝で出会った日本の幼児的大学生とつい
比較してしまう。
15歳の次女は自分の位置・立場・環境をしっかりと理解している。
昨日の滝の学生はまったく自己中心性・幼児性から脱却できず
自分の置かれている位置を測れないのである。

15歳の次女と話すがはっきりと自分の意見を言う。
勉強も出来るが、フエ科学大入学を投げうっても家族のために
生きてゆきたいと思う次女の健気な(けなげな)気持ちに感動する。
100万人の省で選ばれた23人に入り、飛び級で15才で
フエ科学大に入学が決まった才能を見捨てることは出来ない。
一人の人間ではあっても次女にとっては、人生の大きな
分かれ道でもある。

次女に「子どもの家」入所の意思があるか確認。
出来たら「子どもの家」に入って勉強したいとのこと。
家族と離れての生活になるが大丈夫?と聞く。
「寂しいが勉強をしたい。寂しさを乗り越えて頑張ります」との
答えだった。私がベトナムできるのかこの位のことであるが、
次女の人生に何らかの影響を与える事が出来れば
幸いである。
バオミンさん・ロックさんと相談し、入所を決める。
明日、「子どもの家」に入る事となる。

午前11時過ぎ、Bさん家族に別れを告げる。

午前11時半。トンチンカンホテルに戻る。
朝食兼昼食。ひやむぎ。

午後3時。地球の歩き方ツアーの皆さんはホーチミン市へ。
宿泊ホテルからフエ空港まで見送る。

フエ空港で地球の歩き方ツアーの皆さんにお別れの挨拶をする。
地球の歩き方のIさん、ピースインツアーの堀江さんと
心のある人たちと一緒に仕事が出来て楽しい6日間であった。
地球の歩き方ツアー参加者の無事な帰国を祈る。

帰宅午後5時過ぎ。
昨日の日記を書く。
部屋に帰って久しぶりに一休みする。疲れがどっと出る。
午後6時過ぎ、近くの大衆食堂にテイクアウトの「コムディア」
を買いに行く。野菜3種、豚肉をご飯の上に乗せた弁当。
10000ドン(65円)。
部屋に戻り小樽鮭とばでフダ缶ビール3本を飲む。
何となく疲れが取れたような気持ちになる。

この3週間、全く休みなく仕事をしてきた。個人的な時間は
取れないかった。

朝のNHK日曜討論、夜7時のNHK特集では、安部氏など
自民党総裁候補3候補の特集。
NHKは自民党の宣伝放送局と化している。
3候補の違いをいくら取り上げても同じ穴のむじな。
対立軸のない3候補である。
こうしてNHKが率先して自民党総裁を持ち上げ
提灯持ちをしているのである。
安部氏の自宅や妻を紹介するなど大宣伝を買って出ている。
安部氏を首相に作り上げているのはNHKである。
ETV2001問題の『反省』に立ってのことなのだろうか?

竹中総務大臣はNHKの受信料支払いを義務化するための
関連法案を07年の通常国会に提出することを目指すとしている。
08年にも受信料の支払いが義務化される可能性が出ている。
それなら、これほど露骨に特定政党の宣伝をしているNHKを
「見る見ない」の選択をさせて欲しいものである。

投稿者 koyama : 2006年09月03日 19:02

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://koyamamichio.com/mt-tb.cgi/932

コメント