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2006年07月20日
日本語学校卒業試験: 日本料理店盛況
快晴。眩しい程の真夏。
午前8時から20通のメール受信。必要な答えを送信。
午前9時、「子どもの家」から在宅支援へ移行し、現在も
支援中のA君と懇談。
A君は1993年9月から支援している。当時私が最初に
作ったチーラン通り「子どもの家」にA君は入所してきた。
事情があって母とA君の二人暮らし。母親は地雷で片足が
なく、仕事も出来ず仮小屋に住んでいた。
近所の人の紹介でチーランン通り「子どもの家」にA君を
受け入れ数年過ごす。その後、母親は一人暮らしが寂しく
なりA君を家に引き取るが生活が出来ない。私たちが
「在宅支援」として、通学させ母子の生活を支えてきた。
A君は学校へ行くと成績最優秀。ベトナムの名門高校
「コックホック高校」に入学。4年前には、地元の名門大学
の難関学部「フエ科学大学コンピュータ学科」に見事入学。
今年8月に卒業の運びとなっている。
事情があり数年前に母親は死去。現在、A君は「天涯孤独」
の身の上。
今日はA君を呼び、卒業後の身の振り方について話し合った。
両親がいないこともあり、親の代わりに今後の進路について
突っ込んだ話し合いを行う。
現在、地元の小さなコンピュータ会社で研修生として働いている。
採用されるかどうかは不明。当面もらえる給料は80万ドン(6千円)
程とのこと。今後の見通しは現在はっきりしていない。
今回の日本帰国で私たちの支援者であるIT企業社長より
「フエから2名のIT研修生を受け入れても良い」との話があった。
東京にあるIT企業がベトナム人研修生を受け入れ、2年ほど
日本語学校へ通わせ、更にIT専門学校で基礎教育を行う。
3年から4年ほど日本語とITの基礎教育を行った後、
そのIT企業で4年程実習しベトナムへ帰り、フエでIT企業の
仕事を分担し行うというプロジェクトである。
A君に日本での研修の機会があることを話す。A君は
是非日本で研修をし、ITのスキルをアップしたいとの
強い希望を持っていた。私の方からは「日本での研修終了後
フエに戻り、JASSや子どもの家に協力しながらIT関係
の仕事をして欲しい」「ストリートチルドレンの後輩のために
努力するという気持ちを忘れないで訪日研修をして欲しい」との
話をする。
一応、A君の訪日希望の意思を確認した。これから日本の
IT企業と詳細打ち合わせを行い、更にもう1人の訪日希望学生
を見つけ、来年の初めには訪日研修に行かせたいと思っている。
私たちの仕事は生活条件の悪い若者に「チャンス」を上げる
ことである。訪日して成功するかどうかは本人の努力次第である。
生活困難な若者にチャンスをあげたい。とかくベトナムでは
海外留学をする若者は共産党など一部特権階級の師弟に
限定されている。日本人の税金を使って訪日する国費留学生
の多くは一部特権階級の子弟である。日本の税金を使わなくても
十分お金のある家庭の師弟に更に日本の税金を使って
訪日させている現状には、幻滅を感ずる時もある。
今、私の置かれている環境の中で少しでもこうした不平等に
挑戦し、生活困難な若者に人生のチャンスをあげたいと
思っている。小さな抵抗ではあるが・・・・・。
午後12時半から1時半まで昼寝。
午後2時から日本語学校の「卒業試験」の審査官を行う。
日本語学校にはいくつかのコースがある。その中でも
一番難しい「日本語ガイドコース」の卒業試験である。
日本語ガイドコースは2年間という長い期間、毎週5日間、
毎日5時間の日本語の特訓を行う最難関コース。
今日は、いよいよ2年間の勉強が終わり、日本語ガイド
(国家ライセンス支給)として合格させるかどうかの
判断を行う試験である。
試験内容はフエの有名な観光地の一つを選び、自分で
ビデオを使って観光地を撮影し、テレビで上映さながら
観光地を日本語で説明する。私たち審査官は説明した
内容について、日本語で質問し応答の内容をチェックする
というもの。更にガイドをして起こりそうな問題をくじ引きで
引き、適切な答えを日本語で説明するというもの。
審査官はトゥア・ティエン・フエ省観光局から人事部長、
ライセンス発行担当部長が出席。JASS側から
オアシスの会の大塚さん、税田真理子さん、バオミンさん、
ラームさん、サン先生、石岡先生、小山という陣容。
卒業試験受験生は18名。今日9人。明日21日9人と二日に
分けて試験を行う。
9人の受験生。アオザイなど正装で試験に臨んでいた。
明日試験を受ける「後半組」の生徒は試験の様子を戦々恐々
として見守っていた。
途中3回の短い休憩を挟んで3時間の試験を行う。
9人の生徒の話す日本語しっかりと聞き取り、必要な
質問をするという作業はかなり疲れる。
午後5時に9人の試験を終え、記入用紙に個々の受験生の
採点を書き、日本語学校主任のフーン先生に渡す。
午後5時半、日本料理店で子どもたちや日本人の皆さんと
夕食。
午後6時、日本料理店開店。
直ぐにベトナム人2人が来店。にぎり寿司を注文。
更に日本人一人。焼き魚定食。
更にベトナム人3人。カレーライス。
最後にオーストラリア人の家族4人。天ぷら定食。
厨房では10人の来客の注文に応えて、てきぱきと調理を
していた。子どもたちも大塚さん、中村さんなどの指導で
十分自分たちだけで調理が出来るようになっていたい。
天ぷら定食用の天ぷら。からっと揚がっていて美味しい。
今日は10人の来客。日本人は一人だけ。
接客担当のグエットさん、ホン・ニーさんはどうしても英語を
勉強しなければならなくなった。注文をとつるために特化した
英語教育の方途を考える事にした。
午後9時日本料理店閉店。
今日は20日の給料日。閉店後、18歳以上の子どもたちに
正規の給料(50万ドン・3500円)を手渡す。
研修生には、「子どもの家」のセン委員長に
研修費(30万ドン・2000円)を渡している。
毎月25万ドン(1800円)を貯金してもらい退所時に
全額本人に自立費用として渡し、残りの5万ドン(350円)
を小遣いとして渡してもらっている。
子どもたちに給料や研修費を手渡しながら、励ましや、
気づいたこと・仕事上や生活上の問題などを注意したりした。
午後9時半頃から今日の日本語学校卒業試験、日本料理店
ご苦労さん会を行う。大塚さん、税田さん、中村さん、石岡さん、
久保田さん、小山、リー君、ターオ君。
午後10時過ぎ、大塚さん、久保田さん、リー君・ターオ君が
帰宅。
更にトンチンカンホテル住人4人で諸問題を徹底討論。
午前12時半過ぎ、徹底討論会は終了。
投稿者 koyama : 2006年07月20日 10:19