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2006年03月20日

アメリカのイラク侵略3周年:自衛隊・米軍の撤退を求める

晴天。
徐々に夏になってきている。

朝8時半、ミンさんとセンチュリーリバーサイドホテルへ。
文京区根津の岡野ご夫妻と面会。岡野さんは、私の
姉の住んでいる根津地域の都職員として青少年健全育成
事業の担当者だった方。義兄と知り合い。


岡野夫妻、ベトナム事務所を訪問。

ベトナム事務所から日本語学校、オートバイ修理研修センター
などを案内しながら「子どもの家」へ。

●セン委員長と岡野夫妻


「子どもの家」の各施設などを案内。
図書室では子どもたちが本を読んでいたい。

午前11時過ぎまで「子どもの家」に滞在・視察交流


「子どもの家」に昨年の卒業生「トアン君」が遊びに来ていた。
トアン君は13年前、チーラン通りに作った「子どもの家」に
入所してきた子ども。それから13年間、私たちの「子どもの家」
で生活してきた。その間、中学校を卒業し、靴作りの職人の
研修を行った。昨年、「子どもの家」を退所し、郷里のクアンチ省に
帰る。クアンチ省の靴屋で仕事をし自立している。
今日は、クアンチ省からお店の仕事で靴をもってフエにやって
来たという。ついでに「子どもの家」を訪問し、スタッフに近況
報告になってきた。元気に働いている様子を見て、
13年前の小さなトアン君、15・6歳の頃に暴れていた
トアン君の姿を思い出す。国際支援は、「人間を育てること」
だと本当に思った。人間に目を向ける支援でなければならない。
建物や物を与える支援では到達できない国際支援があることを
改めて知った。

午前11時半、日本料理店へ。


昼食時には二人の日本の若者が来店

THUY XUAN 「子どもの家」の所長さんとスタッフを日本料理店
に招待。NIさんが今日から元気に働いている様子と職場を
見てもらう。立派な日本料理店に驚いていた。
オムカレー、トンカツなどを試食してもらう。
ベトナム人には好評だった。

今日の日本料理店昼食メニューは

・オムカレー(玉子焼きで包んだライスにカレーをかける)
・焼き魚定食(おにぎり、焼き魚、味噌汁、小鉢)
・ハンバーグ定食(ご飯、ハンバーグ、小鉢)
・トンカツ定食(ご飯、トンカツ、小鉢、味噌汁)

●オムカレー

●焼き魚

●おにぎり

●トンカツ

●ハンバーグ

●ひじきの煮物

★岡野夫妻と日本人客、日本料理店スタッフ


●忙しい昼食の料理作りの合間に「昼食」を摂るスタッフ

全てのお客さんが帰ったのは、3時近かった。

午後4時過ぎから夜の開店準備。
今夜は予約のお客さんはいない。お客さんが何人来るのか?
来ないのか? 何を注文するのか? 

今まで主に「予約客」への対応が中心だった。
これまでに百数十人への接客を行った。
これからは「フリー」のお客さんへの対応の練習が必要で
ある。毎日は無理だが、週に何回かの「フリー開店」
を行う予定。

既に4日間ほど、中村先生のお母さん(里美さん)が
日本料理店ボランティア指導員を買って出てくれている。
ベトナム人スタッフは既に多くの料理を中村里美さんから
学んだ。
私見ではあるが、中村里美さんの料理で一番は
「豚肉の角煮」である。時間をかけて、バラ肉を
コッテリと煮ていく。上品な豚の油が香り、絶品の
「豚角煮」が出来上がった。同時に作る「煮玉子」も
美味しい。


フリーのお客を呼び込むために店頭にホワイトボードを出す。
居酒屋でのアルバイト経験のある石岡先生がチョコチョコと
書いてくれた。鮮やかなものである。どんな仕事もどこかで
役立つものである。理屈より経験。


午後6時から午後8時過ぎまで開店。2人の日本人の来客があった。

午後8時半頃、閉店。
閉店後、日本料理店スタッフは夕食。

今日はオアシスの会の大塚さんが日本料理店の手伝いに
来てくれた初日。大塚さんの歓迎会となる。
中村里美さんの「豚角煮」で生ビールを飲む。最高の味。
「アメリカのイラク侵略戦争』に反対し、生ビールを痛飲。

夕食開店中、「子どもの家」卒業生のTHUYさんが遊びに
来る。現在、フォンザンホテルの厨房で仕事をしている。
THUYさんの応援者中野亜里先生から預かっている
絵本と手紙を渡す。THUYさんも11年前に「子どもの家」へ
入所してきた子ども。立ち話をする。ホテル厨房の
仕事も色々と大変なようだ。様々な人間関係、ホテル
上層部首脳の大幅人事異動から来る厨房内での
諸問題・・・・。人生の困難を乗り越えて成長して
行って欲しいと願うのみである。

今日はアメリカがイラク侵略を始めて3周年となる。
3年間を経過して、アメリカのイラク侵略が国際法に違反し、
何ら道理もなり侵略・「人類に対する犯罪」「大量虐殺行為」
であったことが明らかになった。

アメリカのイラク侵略の最大の口実は「大量破壊兵器」だった。
その後、アメリカ自身の発表で「イラクに大量破壊兵器はなかった」
ことが判明。アメリカが勝手に作った口実すら根拠のないもので
あった。
侵略開始から3年。米国民の60%以上が「イラク戦争は
間違っていた」と言っている。ブッシュ大統領の支持率は30%
にまで低下。
イラク「政府」の高官ですら「イラクは内戦状態」と言っている。

たった3年間で世界中の人々が、アメリカとそれに追随する
我が小泉首相の「嘘に塗り固められた暴力・虐殺」体質を
知ってしまった。事実と現実は隠すことが出来ない。
2003年3月20日。ブッシュ大統領の開戦を最初に支持
した小泉首相・自民党、連立をしている公明党の責任は
重大である。3年後に明らかとなったイラクの現実を
率直に認め、イラク侵略を認め世界に自己批判すること、
直ちに軍隊を撤退させることが必要である。

私は人間が人間を殺すいかなる戦争にも反対である。
孤立してもこの考えは変えない。ストリートチルドレン支援、
障害児支援の根底には、人間の命、人間そのものを
大事にしたいとの強い思いがある。
いつの戦争も「戦争をしよう」と声高に言う人は、絶対に戦争
には行っていないのである。戦争に行き、殺し合いを
させられるのは、若者である。小泉首相もブッシュ大統領も
安部官房長官も戦争には行かないのである。


以下、3年前、ブッシュ大統領のイラク侵略が開始された時の
私の火焔樹日記である。


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2003年3月20日(木)

 アメリカのイラク侵略に抗議します。直ちに戦争・攻撃をやめるよう求めます。
 多くの子どもたちが戦争で殺され、路上をさ迷い、想像を絶する苦痛を味わせる戦争を世界の世論の力でストップしましょう。

 とうとうアメリカのイラク攻撃が始まる。朝8時過ぎ、テレビでブッシュ大統領の「開戦」のテレビ演説を聞く。イラク国民を救うために攻撃すると主張。待てよ。確かイラク問題を急浮上させてきたのは、2001年9・11のNYテロ後にブッシュ大統領が「悪の枢軸」としてイラク、北朝鮮などを名指しした時からだったはずだ。その時には、テロリストにイラクの大量破壊兵器が渡ることが問題だとしていたはずなのに。いつの間にか「フセイン政権打倒」「新政権樹立」という政治体制を変革することに目的がすり変わっている。
 いくらアメリカが気に入らないからと言って、一方的にイラクを攻撃し、自分たちの気に入った政権を樹立する権利はない。
 明らかに攻撃をされた場合、又は、国連の安保理事会での決議があった場合のみ特例としての『武力行使』が容認されるはずである。今回は、イラクが攻撃している訳でもない、安保理事会に「新決議案」を提案しておきながら、採決すらしないで、一方的に攻撃を開始している。
 今日のアメリカのイラク攻撃は何ら国際法上の理由もなく、明らかに国際法に違反する侵略行為である。
 既に今日の爆撃で市民が1名死亡し、子どもを含む10数名の負傷者が出ている。アメリカ軍はこれから本格的な攻撃を始めると予告している。恐ろしいことである。数十万人の人々が殺されると予想されている。
 日本政府がアメリカのイラク攻撃を支持することを国会で公然と表明している。一体日本国憲法からどうしてこの戦争を支持するという結論が導き出されるのであろう。
 NHK国際放送では解説者や軍事評論家が出てきて、何か客観的な姿勢で、テレビゲームをしているかのような解説を行っている。彼等にとっての戦争は他人の出来事でしかない。戦争で苦しむ一般市民は、フセインにも苦しみ、アメリカの攻撃にも苦しんでいる。こうした事に心を痛まない人間がいる。

 今日は1日、憂うつな気持ちで過ごす。

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2003年3月19日(水)

 昨日のブッシュ大統領のテレビ演説以降、いよいよ戦争が近づいている。
 3月20日午前10時(ベトナム時間午前8時)がブッシュ大統領の言うタイムリミット。
 明日戦争が始まるのか? 川口外務大臣は国会で「もう何も出来ない」と発言している。無力な外務大臣である。最後まで戦争回避のために奮闘するのが日本国憲法下の大臣ではないのか?

 イラク戦争の影響は我がベトナム事務所にも大きな影響を与えている。この数日、「子どもの家」やベトナム事務所訪問を予定した団体、ツアーが相次いで「テロの危険があるのでツアーそのものを取りやめる」との連絡が増えてきている。各訪問予定先や表敬訪問を予定している市長などに「訪問キャンセル」をしている。ベトナム事務所ではかなり無理をして訪問の予約などをしていたので、突然キャンセルするのは、ベトナム人に申し訳ない。


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2003年3月18日(火)

 今日3月18日は、21世紀を歴史的に振り返った時に画期を記す日になるかもしれない。
 午前8時(日本時間午前10時)、ブッシュ米大統領はテレビ演説を行い、イラクのフセイン大統領と家族に48時間以内に国外退去を求め、従わない場合は、攻撃するとの態度を表明した。このことは戦後50年以上の歳月をかけて人類が作り上げてきた「国際紛争を話し合いで解決する」という国際秩序をアメリカが一方的に破棄し、「強い者、力のある者が世界を支配する」という暴力と破壊の世界体制を作ろうとしていることを意味する。21世紀になり、アメリカは「正義」と言う名のもとに「暴力が支配する野蛮な世界秩序」を作り上げようとしている。
 これは、国際法にも違反し、正義にも反する無法・不法行為である。国連の安保理事会に「新決議案」を提案しておきながら、一方的にその採決すら放棄している所にアメリカにとって全く正義がないことがわかる。アメリカは強い軍事力はあっても「正義と道理」がなく、国連や世界の世論からは明らかに「孤立」している。
 小泉首相がこのアメリカの戦争政策を支持したことは、これもまた日本国憲法を真っ向から踏みにじる違法行為である。日本国憲法は「世界の紛争を武力で解決しない」ことを基本原則としているはずである。フランス、ドイツ、ロシア、中国など多くの国家がアメリカのイラク攻撃に反対している。日本だけがアメリカの腰ぎんちゃくのように言いなりの提灯持ち国家であっては情けない。
 私がアメリカなどのイラク戦争に反対するのは、この戦争で犠牲になるのは、子どもたちだからである。アメリカの新型爆弾など大量破壊兵器の被害者は子どもたちである。イラクへの攻撃で多くの子どもたちが殺され、路頭に迷い、ストリートチルドレンになり、難民になり国境をさ迷う。まだこれから未来のある子どもたちがどうして殺されなければならないのか? 子どもたちが血だらけになって死んでいく様を想像しただけで私は何かしなかればいられない。
 アメリカのアフガニスタン攻撃で数千人の一般市民が「誤爆」で殺されている。戦争は結局子どもたちや一般市民が最大の犠牲者なのである。戦争は絶対に反対だ。

 今日は、午後3時からフエ市内のサッカー場で祖国統一戦線主催の「平和を守り、イラク侵略に反対する3・18集会」が行われた。昨夜、その情報を知った私は、今私が出来る戦争反対の行動は、この集会に参加することだとも思い集会参加を思い立った。しかし、政治的には中々難しいベトナムである。へたに政治的な活動をすれば、色々と問題を引き起こしかねない。夜遅くなったが、フエ市人民委員会に私の集会参加を打診。しかし、結論を出す事ができないとのこと。それではということでトゥアティエンフエ省人民委員会に相談。ここも何とも言えないとのこと。最後にフエ市共産党委員長に相談。共産党委員会として私の集会参加を承認。何時にどこで集会をするのかを今日18日に知らせるということで、昨夜は話が終わった。
 今日午前11時に連絡が入り、午後3時からフエ市人民委員会外務部員が迎えに行くので一緒に集会に参加するようにとの連絡があった。
 午後3時、市内のサッカー場にフエ市人民委員会外務部員と一緒に行く。既にサッカー場の周りには、高校生や大学生がデモ行進をしながらサッカー場に向かっていた。(写真①②③)


①学生はデモ行進しながら集会場へ ②デモ行進しながら集会場へ
 

③三々五々サッカー場へ
 


 午後3時過ぎにサッカー場に入るが既に集会は始まっていた。2000人もの参加者が集まる大集会となっていた。参加者はそれぞれに手作りのプラカードを持って参加していた。(写真④⑤⑥)


④工夫して作ったプラカード「平和を守れ」 ⑤手作りのプラカード
 

⑥集会場のプラカード「NO BUSH NO DEATH」


 30度の真夏日の中で集会は行われた。司会者が5分ほど集会の趣旨を述べ、続いて主催者の祖国統一戦線議長が5分ほど挨拶。アメリカのイラク侵略に反対する、私たちは平和を求めると発言。
 集会は主催者の発言だけで約15分ほどで終了し散会となった。あまりにも短い集会であり、あっけにとられてしまった。集会参加者は高校生、大学生が午後学校を休校にして動員されていた。フエの2000人の「イラク戦争反対」の声がアメリカの良心に届く事を祈っている。(写真⑦⑧⑨⑩⑪⑫⑬)


⑦2000人の「イラク侵略反対集会」

⑧2000人の集会参加者 ⑨2000人の集会参加者2

⑩アメリカのイラク侵略に抗議する学生たち ⑪フエ2000人集会看板「平和を守り、イラク侵略に反対する集会」

⑫フエ2000人集会参加小山とクアン・フエ市共産党委員長 ⑬集会に参加したアオザイ姿の女子高校生


 「地球の歩き方ボランティア体験ツアー」第三班は午前中、フエ師範短大、ハイバーチュン中高校での交流を行った。
 午後2時からは、ベトナム語講座。初めに私が2時15分から2時45分まで「ベトナム語入門講座」を行った。ベトナム語の6つの声調、発音、文法の基礎。(写真⑭⑮⑯)

投稿者 koyama : 2006年03月20日 09:15

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