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2006年01月01日
2006年の始まり
2006年が始まった。
昨年親戚に不幸があり、今年の新年の挨拶は
欠礼。
今年も頑張って日記を書こうと決意しているが
はたしてどうなることやら・・・・。
午前11時、家族(妻、次男)で新年の朝食。
しばらく家族でテレビを見る。
新聞、年賀状などに目を通す。
私はこの寒さに音を上げている。正直、フエに早くもどりたい
元日だった。
「生きて死ぬ智慧」(柳澤佳子著・堀文子絵:小学館)
を読む。
「般若心経」の解説本と言ってしまえばそれまでであるが、
今日、5回読み直してみた。この本の特徴は仏教関係者
でない人が書いた本であること。著者が日本を代表する
生命科学者。生命科学者が「般若心経」をどう日本語に訳すのか
に強い興味があった。たった14行の経典であるが、
お釈迦様の教えの根本のエキスが要約されているという。
柳澤氏は難しい仏教用語を一切つかっていない。
分かりやすい口語である。分かりやすいために簡単に読み
流してしまうが、何度か読み返してみるうちに深い意味に
気づく。柳澤氏が将来を嘱望された有能な科学者だったが、
31才の時原因不明の病気となり、30年間苦しむ。
病気で科学者としての仕事が出来なくなったり、医師からは
気持ちの持ち方が悪いだけだ、病気ではないなどと言われ
30年間「人生」「生きること」に苦しむ。
玄奘三蔵がインドから持ち帰った経典の真髄を中国語に
翻訳した経典の真髄。
般若心経を科学で説明しようとしている。
この本のテーマは「空」ということ。
はじめの部分で
「ひとはなぜ苦しむのでしょう・・・
ほんとうは 野の花のように わたしたちも生きられるのです
もし あなたが 目も見えず 耳も聞こえず 味わうこともできず
触覚もなかったら あなたは 自分の存在を どのように
感じるでしょうか これは「空」の感覚です」と話が始まる。
「わたしたちは 広大な宇宙のなかに存在します
宇宙では形という固定したものがはありません
実体がないのです 宇宙は粒子に満ちています
粒子は自由に動き回って 形を変えて おたがいの
関係の安定したところで 静止します・・・・」
「あなたも 宇宙のなかで 粒子でできています
宇宙のなかの ほかの粒子と一つづきです
ですから宇宙も「空」です
あなたという実体はないのです
あなたと宇宙は一つです
宇宙は一つづきですから 生じたということもなく
なくなるということもなく
きれいだとか 汚いだとかいうこともありません
増すこともなく 減ることもありません
「空」にはそのような 取るに足りないことはないのです
こうした記述で「空」ということを「般若心経」に
沿って解説して行く。人間が日常生活で悩み・苦しむ
ことが宇宙の中でどのような意味があるのか?ないのか?
「人間は粒子でできている。宇宙も・・・」。
自分と他者、人間と外界も全て粒子とする一元論。
夏目漱石が「則天去私」を座右の銘にしていたそうだが
「空」の概念に通ずるもののように思う。
この本は読むたびに自分と生きることを考えさせられる
ところがある。
寒いので1日寝ていた。
投稿者 koyama : 2006年01月01日 09:07
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