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2005年11月25日
第2回日本料理店試食批評会・「子どもの家」関連
終日雨。寒い中国からの風が吹く。
午前8時過ぎから日本料理店開店のための調理自習。
日本料理店の調理のキーワードは「家庭料理」。
今日は、かつおを市場で買い、「かつおの土佐作り」を作る
予定だったが、市場にかつおはなかった。
代わりに「CA THU」を買った。日本語風に訳すと「秋魚」。
さばに似た魚。今日は秋魚をさばの代用品と考え調理した。
中村友香先生を調理指導員とし、HONG店長以下、
ターオ、トゥオイ調理人、ホンニー・グエット調理兼店員
の皆さんで調理実習に入る。
●「子どもの家」5人組
・5人で協力し頑張って自立して欲しい。
●中村調理指導員・ホン店長
●調理実習をしているターオ君
●調理実習をする新加入のトゥオイさん
●調理実習するホンニーさん
●調理実習をするグエットさん
●警備員のリー君
ターオ君・グエットさんに手伝ってもらい、するめ35枚を焼く。
11月23日の私の誕生祝いにベトナム事務所の皆さんから
頂いたするめ35枚。さっとあぶって、ハサミで小さく切り
醤油を少量加えて冷蔵庫で寝かす。大量のするめが焼きあがる。
ビール、日本酒のおつまみに最適。これもお客さんに出すために
試作してみる。
午前11時過ぎ、試作品が完成。
バオミン・ベトナム事務所長も参加し、楽しく試食会を行う。
●秋魚の竜田揚げ
●秋魚の味噌煮
●魚のすり身「はんぺん」
●あじのマリネ
●野菜炒め
●味噌汁(手作りの油揚げ入り)
●参加者全員で試食・批評会
定食の試作品を作る。ご飯、味噌汁、いんげんの胡麻和え付き
●秋魚の竜田揚げ定食
こうした試作・試食会を繰り返し行い、実際の仕事の手順
に慣れることが大事である。私たちは日本料理店には全くの
素人である。全て手作り。準備も手作り、試行錯誤を繰り返し
自ら学んで行く必要がある。
午後2時半、ミンさんのオートバイで「子どもの家」へ。
先週「進路」を話し合ったP君の進路について再度話し合う。
P君、セン運営委員長、ミン・ベトナム事務所長、
P君の親戚(41歳・フエ医科大の2年生)。
P君は1994年から私と付き合っている。チーラン「子どもの家」。
付き合って12年になる。現在18歳。6歳の時から付き合っている
ことになる。
P君は中学2年で学校を辞めた。その後、彫刻・みやげ物の
研修を2年間行って来た。研修の先生はP君の能力を認め
今では毎日15000ドン(120円)の手当てをくれている。
贅沢を言わなければ3食食べられる金額である。
ところがP君は2ヶ月程前、セン運営委員長にも断らず
勝手に彫刻・みやげ物研修を辞めてしまい、印刷訓練に
行ってしまった。前回、セン委員長・ミンベトナム事務所長
と一緒に何故彫刻・みやげ物研修を辞めてしまったのか
、その訳を聞いたがはっきりしなかった。
今回、P君がどのような『人生進路』を考えて月給をもらい
自立できる彫刻を辞めて印刷研修に行ったのかを
聞くための会合である。
(セン)何故印刷研修に行ってしまったのか?
私は彫刻の研修を続け自立した方がよいと思っている。
(P君)無言
(小山)P君どうして印刷研修がしたいの?
(P君)好きだから。印刷は将来性がある。友達のロン君と
一緒に将来印刷の会社をしたい。印刷の研修は
簡単だ。1年位すれば給料をもらえる。
(セン)P君の考えは甘い。1年で印刷の仕事を覚えることは
出来ない。1年間は基礎教育だ。
ロン君と一緒に印刷会社を作るのは無理だ。
ロン君はお兄さんとお姉さんが印刷を研修しているの
ロン君は兄弟で仕事をする。
自分の意見をもっとしっかりと持たなければだめだ。
(P君)自分の意見はない。ただ、小山先生に応援して欲しい
だけだ。
(セン)あなたは今後、印刷を本当に続けたいの?
100%印刷をしたいの?
(P君)はい。
(小山)P君の選ぶ道は、①彫刻研修→自立 ②印刷研修
と二つの道がある。どちらにするのか、じっくりと考えて
欲しい。
(P君)「子どもの家」を出ても印刷したい。一人で生きてゆける。
(小山)これ以上、話を続けても成算がないので、また、後日
話し合いたい。P君もそれまで自分の考えをもっと
しっかりまとめておいて欲しい。
*P君との話し合いは1時間以上に及ぶ。
P君自身、印刷研修の今後の展望をしっかり持っている訳では
ない。P君はオートバイ修理研修を始めたが辞めてしまい、
2年間彫刻研修をし、彫刻も辞めて印刷と気持ちが移り
動いている。18歳である。自分のしっかりとした人生進路を
考えることの出来る年齢であり、またそうしなければならない。
私たち大人は、P君に妥協せず、言うべきことは言って、
P君の本当の将来の自立のために援助していきたい。
本来、こうした話し合いは家庭があれば家庭で親と
話し合い、ぶつかり合いながら徐々に自分の意見が
固まっていくものである。「子どもの家」の子どもたちは
そうした家庭と親がいない。セン委員長、私、ミンさん
などが家庭と親の役割を果たさなければならない。
「安易な妥協はP君のためにならない」。
しばらく「考える時間」と「冷却時間」をとりたい。
「子どもの家」に新入生が入って来た。HOA君。
15歳。中学4年生(日本の中3)。
父親(39歳)はラオスで木材伐採中に腰に伐採した木材を
受けて骨折。仕事が出来なくなる。母親(42歳)は農業。
子どもはホア君も入れて3人。ホア君は将来建築技師に
なりたいとのこと。ホアン君の幸せな生活を祈る。
10月22日にテレビ東京で放映された「ザ・ドキュメンタリー」に
出てくる姉妹。姉のHONG(ホン)さんが「2005年子どもをレイプ
から守る絵画展」に入選。奨励賞を受賞した。
ユニセフ主催のコンクール。
どんな絵を描いたのか聞いてみた。お父さんがお酒を飲んで、
お母さんとけんかをしている。こどもは、家の外で泣いていると
いう絵だそうだ。
フエに戻って3週間。「子どもの家」の子どもたちの自立のための
進路指導のようなことをする日々が続く。なんとかして一人一人
の子どもたちが自立し、幸せな人生を歩んで欲しい。そのためには
愛情を持ち厳しく接していきたい。
投稿者 koyama : 2005年11月25日 18:50
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