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2004年04月09日

フセイン政権崩壊1周年に思う

今日も曇り。一日寒い。長袖を着る。
北海道函館の菊さんから函館の早春が送られて来た。「行ってみたいな」・・・・。
左(函館元町の早春①)
中(函館元町②)
右(函館元町③)函館1函館2函館元町3

昨年の今日、イラクのフセイン政権が崩壊した。
5月にはブッシュ大統領の「戦争終結宣言」が出され、イラク戦争も終わるやに見えた。それから1年。状況はアメリカや小泉首相の思惑とは異なり、一層戦争状態が深刻になっている。
40年ほど前、「半年でベトコンを殲滅する」としてダナンからベトナム戦争に介入したアメリカが、10年間かけて結局「敗退し」「撤退」した歴史を思い出すべきだある。アメリカはベトナム侵略戦争の教訓を全く学んでいない。道理なき戦争は結局敗北する。
テロリスト殲滅と称して行ったイラク戦争だが、反米戦力に一般市民の多くが加担するようになった。
イラク戦争は一部のテロリストではなく、1万人以上の一般市民を無差別虐殺している米軍に対する家族や親族、友人市民の怒りがその底辺にある戦いと
なって来ている。
アメリカのイラク戦争の全ての大義が崩れた。
「大量破壊兵器」はなかった。「テロリストをなくす」と主張したが、イスラエルのシャロン首相がパレスチナのヤシン師を国際法に反し虐殺した「100%のテロ行為」を非難する国連安保理事会決議案を拒否権を発動し阻止したのもアメリカである。
ブッシュ大統領が、本当にテロを根絶する気持ちがないことがはっきりした。世界最大の国家テロリストはブッシュ大統領である。
今やアメリカの「武力唯一論」が破産し、アメリカを支持する国々が徐々に離れてきている。スペイン、ルーマニア・・・・。アメリカは道義なき戦争の泥沼に入り、ぬけることが出来なくなっている。イラク派遣米兵の自殺者が激増している。米兵の間で、イラク戦争の意味が分からなくなってきているのである。
我が小泉首相だけが忠実な番犬のように今も「尾を振って」ブッシュ大統領に追随している。
3人の邦人が拉致された。自衛隊の撤退が解放の条件だとのことである。民間の人道援助の3人の命すら助けられない国家とはなんだろうか。小泉首相は「自衛隊の撤退はしない」と早々に言明した。イラクにいる日本人は異口同音に「自衛隊がイラクに来てから、イラクの日本人に対する空気が変わった」と言っている。既にイラク全域が戦争状態である。イラク特措法でも「戦闘地域」への自衛隊派遣は禁止されている。自衛隊宿営地の近くに数発の砲弾が打ち込まれている。イラク特措法提案説明では、自衛隊の宿営地の近くに砲弾が打ち込まれるなどの事態になったら、直ちに自衛隊を撤退するとしている。
イラク特措法からしても、自衛隊は撤退しなければならない。人道支援と称して派遣された自衛隊のために、民間の本当の人道支援・ボランティア活動家などが殺されそうになっている。拉致を行ったグループが最大の犯罪者であり卑劣な行為であることを前提にした上で、今、命を奪われようとしている文字通り「人道援助」をしようとしている民間の3人を救助すべきである。銃をもって人道援助は出来ない。
高遠菜穂子さんは、2000年3月20日に「子どもの家」を訪問している。その前にも一度、ベトナム事務所と「子どもの家」を訪問している。18歳の今井君も彼が通っていた立命館慶祥高校が「子どもの家」にボランティア体験修学旅行したことがきっかけで、孤児院や枯葉剤に興味をもち、劣化ウラン弾の調査に行ったのだ。高遠さん、今井君はけして人ごととは思えない。私たちの仲間である。私たちの仲間が今、人道援助をしようとして、その命を奪われようとしている。卑劣な犯人グループを厳しく糾弾する。同時に二人の人道援助活動家を含む3人の命の重さを全く感じていない小泉首相に強く抗議する。直ちに自衛隊を撤退させよ。今自衛隊がイラクにいること自体が違法なのだ。
人質の3家族が小泉首相との面会を求めたが、首相は面会を拒否した。家族が「自衛隊撤退も選択肢の一つに考えて欲しい」との要望が気に入らないとのこと。「万全の努力をする」との首相発言は、単に口先だけのものである。国民が不当な人質になった。悲嘆と苦しみと動揺の中にある家族と何故会わないのか? 何故、人質家族に声をかけないのか?
冷たい政治のサンプルを見た思いがする。自衛隊の「出陣式」には出席しても、人質になった家族とは会わない小泉首相の人間性を見た思いがする。特攻隊には涙をし、東条英機などヒトラー・ムッソリーニと同様のA級戦犯が祀られた靖国神社には参拝しても、今、この時点で苦しんでいる国民には全く冷たい我が首相ではある。
政治は「一人一人の国民の具体的な命を守るためにあるの」ではないのか?
小泉首相の論理は、一人や二人の命より、ブッシュ大統領のご機嫌が大事なのである。年末の大統領選挙で勝利するか分からないブッシュ大統領と心中を誓った我が首相ではある。
国民は政治家の具体的な行動をしっかりと見る目を持つ必要がある。
函館の菊先生から送られてきた「早春の函館元町の写真」3枚を見ながら、北海道出身の高遠さん、今井君も函館の早春を見たいだろうな、今、囚われて何を考えているのだろうか。「自衛隊を撤退してください」と外務大臣に直訴したご家族の皆さんの気持ちを思うといても立ってもいられない。国家はけして国民を守らない。60年前の日本の歴史が証明している。

投稿者 koyama : 2004年04月09日 20:52

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