« 久しぶりに自宅で仕事 | メイン | フエ市人民委員会訪日団日程等精査 »

2013年02月03日

元日本料理店長 リー君、泥棒を捕まえる(注)リー君が逮捕されたのではない)

フエ・インターネット新聞に掲載されたリー君の記事


バンド演奏者がバイクのサドル下の物入れをこじ開ける
2013年1月31日
フエ市の警察によると、1月30日、ティエウ・フォン、クアン・チー省、ティエウ・フオン地区、ティエウ・ロン村に住んでいるドー・ティエン・バオ(1987年生れ)を逮捕。現在、強盗容疑を認め、自供を始めている。
1月29日にバオ容疑者はクアンチ省からバイクでフエに遊びに来た。11時ごろフエ市のファム・ヴアン・ドン通りにあるトゥア・ティエン・フエ省立建設会社に侵入、だれもいないことを見届け、たくさんのバイクの物入れ(鍵がかかっている椅子の部分)をこじ開け、現金300万ドンや銀行の通帳、キャッシュカードを盗む。また、グエン・ティー・トゥイ・フンさんの財布も盗んだ。
バオ容疑者の行動の一部始終は、会社の防犯カメラに鮮明に残っていた。その日の午後、フエ市民のフンさんがバー・チエウ通りを歩いている時にバオ容疑者をみつけ、大声で叫び、近くにいた人たち(これがリー君)と協力をしてバオ容疑者を捕まえ、警察が逮捕した。バオ容疑者は現在、警察で強盗をした事実を供述している。    

 タイ・ビン記者


以下、リー君の言

『自分たちが犯人を捕まえ、警察に電話をした』

『その間、犯人は「どうして?どうして?」と言っていた』


ーーーーー
リー君とは1993年9月からの付き合い。約20年の
付き合いである。現在25歳。5歳の頃は、弟と一緒に
路上で寝ていた。「泥棒」「かっぱらい」「盗み」「脅し」
「放火」「麻薬の運び人」などなど、「悪いに悪いを
重ねて」来た人間である。8歳か9歳で「子どもの家」へ
入所。6年ほど「子どもの家」へ在籍し小学校へ通う。
小学校の成績は、日本流に言えば「オール5」。
頭の回転が速い。その後、「子どもの家」を勝手に
退所し ホーチミン市でやくざの手先になり、様々な
「仕事」をした。

その後、フエに帰り、日本料理店店長として活躍したが
数年前に突然退職を通告してくる。

最近は、また、日本料理店で働きたい、小山先生と
一緒に仕事をしたいと言って来ている。

こうした人生を過ごしたリー君が、泥棒を捕まえ、
警察に連絡。警察署長から表彰状と金一封(約1万3千円)
をもらうとのこと。

こうしてJASSと20年間付き合い、「悪に悪を重ねた」
人間が、警察署長に表彰され、金一封をもらうという
ようになったことを喜びたい。

   
これで人間が変わったなどと単純には思えないが、
それでも「良いこと」をしていこう、真面目に働こうとの
気持ちが強くなってきたことも事実である。
昨年の11月頃からは、毎週日曜や空いている時には
リー君から「先生飲みましょう」との電話がかかり、
最近は良く飲んでいた。
その際、私は繰り返しリー君に次のようなことを
言っていた。

小山
「リー君は良く彼女を連れてくるが、いつも結婚までは
いかない。その理由をどう思っているの?」

リー君
「わからない」

小山
「女性は、将来の生活を考えるよ。リー君の今の生活は
その日暮らしの生活。ある日はお金がたくさん入るが
ある日は一銭も入らない。非常に不安定な生活だ。
女性は、不安定な生活をする男性とは、結婚しないよ。
今のオートバイの警備は収入が不安定。2月は1か月間
お金が入らない。そんな生活を改め、給料は安くても良いから
決まった収入の生活をするように」

リー君は昨年から徐々に「決まった収入の生活をしたい」
という気持ちになって来たようだ。

日本料理店のスタッフに、「俺は、日本料理店で仕事をする」
と話しているようだ。諸事情でそう簡単に日本料理店で仕事は
できないのだが・・・・・。

毎日のように日本料理店前の昼「喫茶店」、夜「大衆酒場」
に来ている。そこで日本料理店のスタッフの仕事ぶりを
つぶさに観察しているようだ。

先日は、日本料理店唯一の男性スタッフ「HIEP君」
(「子どもの家」在住)が日本料理店前に自転車を置いていた。
泥棒がHIEP君の自転車の鍵を器具で壊し、自転車を
盗もうとしたところをを見つけ、泥棒は逃げていった。

25歳になり、リー君は「大きな人生の転機」を迎えている
ようだ。

なんとか真っ当な仕事をし、幸せな家庭を築いて欲しい。

HIEP君の自転車泥棒を見つけたり、インターネット新聞
に泥棒捕縛で警察署長から表彰と「善行」を重ねるように
なった。20年前とは大きく「様変わり」をした。
近いうちにリー君の人生に大きな転機が来るように
JASSとしても支援をしていきたい。

子どもたちを育てるということは、本当に「忍耐」と
「長い年月」が必要なのである。リー君というたった
一人の人間を一人前に育てるのにも、私たちは
20年という長い長い年月を過ごしてきた。

リー君が幸せな人生を迎えられるように、リー君や
「子どもの家」の子どもたちに親身に「寄り添い」
本当の自立に向けて更に微力を尽くして行きたい。

=======================
終日、2月17日「現地報告会」の提案内容(バオミンさん素案)
を検討する。

「現地報告会」

(日時)2013年2月17日(日)午後1時~午後5時
(場所)「あすか会議室」(東京駅八重洲口)
     ダイヤ八重洲口ビル3階、303号室
(電話)03-3233-1207
(行き方)JR「東京駅」八重洲中央口 徒歩2分
(内容)2012年活動の総括
    2013年活動方針
    会計報告
    JASS日本役員選出

   


    

投稿者 koyama : 2013年02月03日 13:14

コメント