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2010年06月13日
静岡大学工学部入試(面接)・日本料理店を退職したリー君と懇談
快晴 気温38度 夕方曇り強風・雷
午前6時起床。
午前7時簡単な朝食。
午前8時、静岡フエ青年交流会館へ。
今日は静岡大学工学部ニフィープログラムの一般入試(面接)。
午前中はホーチミン市から来た8人の受験生の面接。
一人20分。会館の1階は受験生の待合室。
ベトナム事務所の担当者 フーン先生・原田先生・古竹先生
フオン先生。受験生のお世話など・・・・。
午後の面接はフエの2人。
午前9時、JASSベトナム事務所で数日前に勝手に日本料理店
を退職したと称している「リー君」と話し合い。
私、大塚さん、バオミンさんが参加。2時間ほど話し合う。
(小山)リー君、今日君と会うが、先日の勝手な「退職事件」について、
どう思っているのか? 最初にリー君の現在の気持ちを聞きたい。
(リー)間違っていた。
(小山)どこが、どう間違っていたのか?
(リー)大塚さんが支援をしてくれている。その時約束したことを破った。
ギャンブルをしないと約束したのにギャンブルをしてしまった。
借金をしないと約束したのに翌日、25万ドン(1250円)の
借金をしてしまった。
(大塚)何故、借金をするのか?
(リー)ギャンブルや自転車を質屋に入れてある。自転車に乗りたくなり
借金をして自転車を質屋から出した。
(小山)誰から自転車の質出し代(1250円)を借りたのか?
(リー)隣りの精進料理屋から。
(注)隣りの精進料理屋兄弟を先週の日曜日に呼んで
リーにお金を貸さないようにと注意したばかり。
貸すほうも悪い
(大塚)自転車の質屋代25万ドンは、私が払ってやるから
借りた人を連れて来なさいと言ってあったのに。
(リー)わかっていたが、早く自転車に乗りたかったから
精進料理屋に借りてしまった。
(大塚)先日、リーが勝手に怒って日本料理店を辞めると
言った一つの出来事は、リーが厨房で出来上がった
料理を
「注文の料理ができた」と大きな声で何度も言ったのに
私の言うことを無視。その後も注意したが、私の
言うことを全く聞かなかった。
(リー)今は反省している。
(大塚)昨日、ホーチミン市に行くとのメールがあったが、
ホーチミン市で何の仕事をする気か?
(リー)何も仕事は決まっていない。「クビ」になったので
ホーチミン市に行こうと思っていた。
(小山)日本料理店はリー君を「クビ」にするとは一度も
言っていない。自分で勝手に怒って「俺は辞める」
といっただけのことだ。
(リー)はい。そうです。
(小山)リーはこれからどうしたいのか?
(リー)日本料理店に戻ってもう一度働きたい。
(大塚)昨日は15人の来客があった。接客係りのグエットさんは
一人で接客をした。英語も立派にできた。リー君がいなく
てもグエットさん一人でも接客は出きる。
自分がいなければ、日本料理店は困ると思っている
としたら、間違っている。
(リー)自分がいなくても日本料理店は立派に進んでいくと
思う。
(大塚)ミンさんの意見は?
(ミン)リーは、私と大塚さんに対して悪い態度を取った。
しかし、もう一度「チャンス」を上げたいと思っている。
リーは、心の底は悪い人間ではない。しかし、教育が
足りない。又、自分の気持ちを相手にきちんと伝えるのが
下手なところがある。
(小山)リー君の課題は
①借金をしない(身の丈にあった日常生活)
②ギャンブルは絶対にしない
③日本料理店やJASSツアーなどの仕事をする際、
指示に従わず、自分で勝手に仕事をしてしまい、
何度も大きな問題を起こしている。
今後は、上司の指示にきちんと従うように。
万一、上司の指示に異議があるのなら、ぶんムクレずに
言葉できちんと「自分の気持ち・意見」を言うように。
日本人に言う時にはバオミンさん・ハンさんが
ベトナム事務所にいるので通訳をしてもらうように。
自分で勝手に怒って行動することは良くない。
今後は、自分の「思い」をきちんと言葉で言いなさい。
(大塚)弟のインは何をしているのか?
(リー)フーバイ空港の近くの木工所で仕事をしている。
(小山)今日の話をしっかりと頭の中で反芻するように。
明日(6月14日・月)から日本料理店に出勤するように。
明日、午後2時半に日本料理店会議を開催する。
その場でリー君は日本料理店のスタッフにも自分の
気持ちをきちんと伝えること。
(リー)はい、分かりました。
ーーーー
以上、2時間の話し合いのダイジェストである。
個人的には、また「同じ問題」を繰り返す可能性は濃厚との
思いあり。
しかし、ホーチミン市に行ってしまえば、私たちの手から離れる。
ホーチミン市に行けば、ヤクザか闇の世界に入るのは
目に見えている。リー君の人生はほぼ決まってしまう。
そうした状況が分かっていながら、問題を再度起こしそうだ
とは思いながらも、リー君をホーチミン市に追いやることは
私たちの仕事(こどもたちに支援・自立)からすれば、やはり
間違っていると思っている。
甘い対応だとの意見もあるかもしれない。しかし。ただ厳しく
すればよいともいえない。ホーチミン市に行き、麻薬の売人、
悪い社会に入る可能性は濃厚であるのに「理屈」だけで
リー君に対応することも「いかがなものか?」と考えた。
リー君は学校教育は5年しか受けていない。生活を
理論的に組み立てる訓練はされていない。
思いを「言葉」で表す訓練もされていない。
両親から日常性の細かい生活上での諸注意をされていない
など考えてやるべき「生い立ち」もある。
私たちが「裁判官」のように「良し悪しだけ」を判定のなら
何とでも出きる。しかし、リー君を「真っ当な人間」に育てる
ことを目指すNGOである。
結局、「騙されながら」「紆余曲折」を辿りながら、成長する
過程をリー君と共有するしかないのである。
悩ましい問題であるが、誰かが寄り添っていなければ、
一人の人間の一度しかない人生がどうなるのか?
を考え、今回はこうした結論になった。
異論もあろうかと思う。しかし、結論はださなければならない。
昼食を摂る気力ない。
午後12時半から1時間昼寝。
読書「ある晴れた日に」(加藤周一著:岩波書店)
午後2時からボランティア貯金完了報告書付属資料の
作成。日記などを見ながら、2009年4月~2010年3月
までの365日の毎日をボランティア貯金交付金のために
仕事をしたことを書く。
午後5時過ぎ、12ヶ月間の全ての記録を書きあげる。
バンベー37号の原稿に「題名」をつける。
日本のレイアウト担当者に送信。
今日は「フエフェスティバル」の最終日。
明日からまた停電が始まるのか?
投稿者 koyama : 2010年06月13日 18:45