« 成田 →ホーチミン →フエ ベトナム帰国 | メイン | ベトナム事務所員会議 »

2010年05月21日

フエ帰国初日

気温40度以上  猛暑

午前6時起床  7時朝食。フォー。

午前8時、ベトナム事務所へ。

3週間ぶりのベトナム事務所。皆さん、頑張って仕事を
している「雰囲気」。


結婚も間近。鋭気溌剌のソン君

中村友香さんよりベトナム事務所への差し入れ。
ディズニーランドのクッキーなど


昨日、私とフエに帰国したTUOIさん。約2ヶ月間の
日本での日本料理研修だった。
TUOIさんの受け入れ先だった帯広の芳村さんが作った
TUOIさんの研修記録(分厚い写真集と活動内容の詳細記述)
をバオミンさんに渡し、2ヶ月間の活動の概要を報告。
なかなか律儀なこどもである。ベトナム事務所へのお土産を
渡す。



午前9時。バオミンさんとハンさんと財政打ち合わせ。

日本でJASSに入金されたお金をハンさん・バオミンさんに渡す。
その後、4月1日から交付が終了したボランティア貯金で
収入が減ったベトナム事務所財政をどう立て直していくのか?
ボランティア貯金交付金分の代替財政をどのようにするのか
を3人で話し合う。新たな財政獲得のための活動を強化する
することで意見の一致。

午前10時から11時半までバオミンさんと当面のベトナム事務所
運営について意見交換。

午前11時45分 昼食。

その後1時間ほど昼寝。


午後2時半、静岡県の訪問者と2時間ほど懇談。
国際ボランティア・海外支援について話す。


午後5時半、夕食。久しぶりにこどもたち・大塚さん・
日本語教師の皆さんと食事をしながら不在中の出来事などを
話し合う。


豚肉と厚揚げの甘辛煮。野菜スープ。ご飯

調理場で仕事を始めたTUOIさん。日本で研修したことを
早速実践していた。前掛け(エプロン)を着け、調理場の
清掃をはじめにしていた。

欧米系・日本人の来客あり。


午後9時閉店。リー君が多少不機嫌。理由を聞くと
「昨日、日本料理店が終わったあと、一杯飲もうと
声をかけてくれなかったから」とのこと。
こういう『積極的且つ前向きな』拗(す)ね方ならいつでも歓迎。

早速、大塚さん・原田先生・古竹先生・リー君とで飲む。



リー君の新たな「恋人」で話は盛り上がる。

満面の笑顔でフダ生ビールを飲むリー君。
TUOIさんからもらった日本のお土産(黒Tシャツ)

今度は、今までの彼女のように「金・金・金」ではないと
本人は言う。リー君の失恋の自己総括は「女はお金が好きなんだ。
俺はお金がないから失恋するのだ」というもの。この総括が
あながち外れていないのが今のベトナムである。
小型バブル。誰も彼もが「お金」に向かってまっしぐらと言った
様相を呈している。
午後10時散会。リー君の恋愛の成功を祈る。

「愛新覚羅浩の生涯ー昭和の貴婦人」(渡辺みどり著:中央公論
新社)読了。

著者の渡辺みどりは、皇室関係の番組によく顔を出す人。
皇室の類縁なのかどうかは分からなかったが、変な帽子を
かぶり、馬鹿丁寧な言葉を使っている女性との印象を
持ちながらテレビ出演を見ていた覚えがある。
本書の略歴には、テレビのデレクターとあった。
昭和の貴婦人と副題をつけることでも分かるように
皇室や戦前の侯爵・子爵などへの崇拝の気持ちの強い
著者。

嵯峨侯爵の娘浩と清朝ラストエンペラーの愛新覚羅溥儀
の弟である溥傑(ふけつ)の「政略結婚」の話である。

日本のでっち上げ国家である「満州国」の皇帝に就けられた
溥儀。弟の溥傑は皇位継承権第1位。
日満両国の親善の証として、日本の皇室に近い嵯峨浩と
満州国皇帝溥儀の弟の溥傑との結婚の経過と結末を
描いている。
嵯峨家は、明治天皇・大正天皇の生母と出している家庭。

1945年8月15日の日本の敗戦で溥儀と溥傑は
ソ連に抑留。その後、中国に返され合計15年間もの間
「思想改造収容所」に入れられる。
その間、妻の浩は、2人の娘を連れ日本へ帰国。
娘えい生の東大生大久保との「天城山心中」などがあり、
浩は溥儀と離れ離れになりながら日本で生活。
その後、中国への帰国を許され(浩は日本国籍を抜かれて
中国国籍となっていた)北京で生活するという概略の話。

侯爵の娘である浩の人生流転。

浩の人生を見ていると自分では決められない出生と生い立ち。
これが、リー君など「子どもの家」のこどもたちと同じであることを
痛感した。

浩が侯爵家に生まれていなければ、あるいは日本で平凡な
家庭の主婦で一生を終わったかも知れない。
偶然、侯爵家に生まれたがために、日満親善という欺瞞の
政略結婚の餌食にされてしまい、流転する大変な人生を
送ることになった。嵯峨浩自身に何も責任はない。
「子どもの家」のこどもたち嵯峨浩の人生が二重写しになる。


人間は自分の生まれ方を選ぶことは出来ないという自明の
理を改めて痛感。

投稿者 koyama : 2010年05月21日 06:17

コメント