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2008年11月14日
JICAベトナム事務所を訪問(ハノイ)
快晴
午前中、ホテルで読書。
「国家の崩壊」(佐藤優著)
社会主義ソ連の実態を著者は体験的に熟知している。
私のベトナムでの体験とほぼ同じ体験をしている。
午後1時半、ホテルを出てJICAベトナム事務所へ。
午後2時半、築野所長、竹内次長さんなど6人のスタッフの
皆さんと懇談。1998年から2001年まで4年間JICAと
協力して実施した「開発福祉プロジェクト」の内容と結果、
その後の継続状況を説明。
新たに設立した縫製研修センターへのJICAシニアボランティア
の派遣を要請。今後の日本語学校への支援などの話し合いをする。
1997年位からJICAとはお付き合いしている。
数年で担当者が変わるのでフエでの私たちの活動が伝えられて
いない実情もある。
所長さん、次長さんをはじめ担当の皆さんは親切に私の要請を
聞いてくださった。結果がどうであれ、有意義な訪問だった。
今日は1日で20数通のメールが入った。
全てを読み、必要な返事を出すだけで半日以上かかった。
インターネットの接続状態が悪い。1通のメールを送るのに
日本の10倍以上の時間がかかった。
昨日の大使館訪問、今日のJICA訪問は私としては
大きな意義と成果のあった訪問だったと思う。
この効果は今後徐々に出てくるものと思う。
私のフエでの主な仕事はこうした「外交」とプロジェクトの
計画・立案とその仕掛けである。現状ではこうした仕事は
私にしかできない分野である。フエでの私の役割を
私自身は自覚し、この15年間、一度も現状維持を
目指さず、常に前を向いて、新しいプロジェクトに挑戦していた。
そして今も新しいプロジェクトをめざしている。
そのことが、今後の「子どもの家」・ベトナム事務所・
貧しいベトナムのこどもたちのためになると自覚している。
特に超格差社会を作った「ドイモイ」の現実とその結果。
そして、格差・二重格差社会の中で新たな「世界金融危機」が
襲ってくる。今夜からアメリカで20カ国の首脳があつまて
「金融世界危機」への対応策が協議される。
トヨタが70%の減収とのこと。100年に1度の経済危機とも
言う。資本主義諸国は世界金融危機の直撃を受けている。
しかし、「社会主義国」ベトナムへの影響が直撃とはいかないが
徐々に、なおかつ資本主義国以上に深刻な影響を
今後与えることが予想される。世界金融危機が起こる前に
ベトナムでは超インフレとなり、庶民を直撃する物価高が
進行している。「子どもの家」で買っている米1キロが3000ドン
(20円程度)だったのが、現在は12000ドンから15000円。
庶民の生活に直結する米の値段が3倍~5倍に上がっている。
銀行の預金金利は15%程度。経済が過熱し、ヤケドを起こす
ほどに燃え盛ってしまったが、政府は火消しをすることができない
ままこの数年が過ぎてしまった。土地と株のバブルが崩壊しつつ
ある。
そうしたある意味で危機的なベトナムの経済状態の中で
今、世界金融危機を迎えている。ベトナムは昨年「WTO」に
加盟した。既に1国社会主義ではいられない。世界の経済に
連動する道に踏み込んでいる。
100年に1度の世界経済危機がベトナムにどのような影響を
与えるのか注意深く見守っている。
私見では貧しいこどもたち、貧困家庭、農民、労働者への
矛盾の押し付けが進行し、「子どもの家」への入所者が増え
るものと想像している。そうだからこそ、今、「子どもの家」の
運営と財政基盤の自立とその強化が一層求められている。
海外ボランティアで「保守主義」が罪悪である。常に
社会の実情をしっかりと見据え、現状を打破し、新しい峰へ
挑戦する「革新主義」「挑戦指向」が必要である。
などと考えながら、ハノイ滞在を過ごしている。
投稿者 koyama : 2008年11月14日 12:46