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2008年07月04日

水戸の後藤弁護士と懇談

晴天


午前中、必要なメールをベトナム事務所とやり取りをする。

午前11時過ぎ自宅を出て、上野駅へ。

上野から水戸の隣の勝田駅へ。

読書「少年A 矯正2500日全記録」(草薙厚子著:文藝春秋)
を読了する。

読んで多くのものを得た。少年Aは母親との葛藤が
生育に強い影響を与えていたという。厳しくしつけることが
長男の教育と思っていた母親は、殴られたら殴りかえせと
いう指導をしている。少年Aは母親を豚と呼んでいる。
少年Aは心の中に自分と違う自分が巣食っていることに
気づく。人殺し、その肉を食べたり、血をすすることで
性的な興奮を感じる違う自分を「酒鬼薔薇聖斗」と命名し、
本当の自分と区別している。「親の愛情をいままで感じたことが
ない。誰からも愛されない、自分は異常で世の中で意味の
ない人間、魔物である」と感じていた。

次男が生まれた後、母親は二男の育児に専念し、少年Aは
祖母の手に預けられるようなる。少年Aと母親との「母子一体」
の期間がごく短かったことも指摘されている。教育熱心な母親は
少年Aが幼稚園で恥をかかないよう、団体生活に必要な
生活習慣や能力をしっかり見つけさせようと排尿、排便、食事、
着替え、玩具の後片付けなど、普通の子どもよりも早めに
厳しく躾をしたという。

その後三男が生まれると少年Aは突然「足が痛い」と言い出す。
医者はレントゲンを撮るが問題なし。「少年Aをもっとかまって
上げてください。おそらく精神面から来る症状でしょう」との
医師の助言を受ける。
幼稚園当時、少年Aはある意味で早熟な子であった。
友達と玩具をの奪い合いをすれば、いつも我慢して相手に
譲る。幼稚園側は「母親が家庭でしっかり躾けている」と
見ていた。「明るくて理解力がある。絵本を好み、内容も
よく知っている」と幼稚園側は評価していた。
「砂場で遊んでいて友達に玩具を取られモジモジ
していて何も言い返せなかった少年Aに対し、母親は
取られたら取り返しなさい」と強く叱ったという。

このころ、少年Aは将来なりたいものとして「ボクシングの選手」
を挙げている。「強ければ人にいじめられなくなる。母親にも
怒られなくてすむ」と。
少年Aは幼稚園時代、自分より強い者すべてを仮想敵として
いた。幼稚園という集団生活の場では表面的には、理想的な
子どもを演じながら、心の奥底では強くなって母親に思い知らせ
てやるという思いを抱きるづけていたという。
小学校5年の時、少年Aを一番可愛がっていた祖母が死亡。
少年Aは生き物の体を切ったり裂いたり内臓をみるのが楽しくなる。
同じころ、ヒトラーの「わが闘争」を読みたいと言って母親に買って
もらう。少年Aは「この世は劣るものは死に、優秀な者は支配する
という争いの世界である」との認識をもつようになる。
その後、万引きを繰り返す。
カエルを解剖し、猫の首を絞め、口から脳へナイフを突き刺し
腹を裂き腸を出し、首を切り落とす。20匹ほど猫を殺す。
こうして猫を殺し虐待している時に初めて射精を経験する。
性衝動と動物殺しとの関係を自覚し始める。
そうした成育歴をたどり、二人の子どもを殺し、首をきり、
その口にメッセージを食わせさせ、中学校の校門の置くと
いう異常な行動に走り逮捕された。
医療壮年鑑別所で「性的サディズム」「対人障害」との診断を
受ける。4年半の医療少年院の生活で少しずつ心を開く
ようになるといった概要である。

この本を読んで「子どもの家」の子供たちの乳幼児期の
生活を思いやった。乳幼児期の生活・環境がその後の
子どもたちの性格とに大きな影響を与えているのは
事実である。

午後6時、水戸地裁そばの「みとみらい法律事務所」へ。
この付近は「水戸城」があったところ。アジア太平洋戦争
の空襲で焼失し今はお堀のあとが残っている。

13年前から「子どもの家」を支援してくれている後藤弁護士
と懇談。
後藤弁護士は13年前、偶然フエのフォンザンホテルに投宿。
朝、散歩をしてホテル前にあった私たちのベトナム事務所の
日本語の看板を見て来訪。1時間ほど私たちの活動を
話す。そのことがきっかけで、茨城にJASS支援の会を
作ってくれる。今日の火炎樹の会の基を作った方である。
日弁連の法教育の中心者として多くの本を執筆し
活躍している。子どもの自立の問題などを反し合う。
その後、付近の日本料亭に行き、ダチョウの刺身、握り、
しゃも肉などを御馳走になる。

だちょうの握り寿司(臭いもなくまぐろの赤身を少し固くした感触)
おいしい。低カロリー、低コレストロールとのこと。茨城県で飼育
されているそうだ。

だちょうの「カルパッチョ」


軍鶏(しゃも)肉


午後9時半に会食懇談を終了。
水戸駅から勝田駅へ戻る。

明日は勝田駅付近で火炎樹の会の講演会。

投稿者 koyama : 2008年07月04日 22:32

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