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2008年04月18日

星野さん来訪

曇り のち晴天
少し寒くなった。

気温30度。湿度70%。

午前6時半、停電。

午前7時朝食。キャッサバ芋の粉メン。

バオミンさんと電話で打ち合わせ。

午前中、日本のNPOの方と何度かメールで連絡。

「ルポ 貧困大国 アメリカ」(堤未果著 岩波新書)
を読む。想像はしていたけれど、堤氏の具体的な
数字を列記したアメリカの貧困の実情を知るにつけ、
背筋が寒くなる。
第1章は「貧困が生み出す肥満国民」
1950年代・60年代のアメリカは、肥満は豊かさの
象徴でもあったが、今日では、肥満は貧困の象徴となった。
「民営化」路線は、政府の業務・責務を極端に縮小していく。
貧困家庭に対しての支援が大幅に削減。貧困家庭に
食事クーポンを政府は支給。金額が少なく、貧困なために
家庭に調理道具がない。貧困家庭は、スーパーで
調理済みの「チーズ・スパゲッティー」「ピザ」など
栄養がなく、高カロリーのジャンクフードを食べる。
肥満が増大する。貧困地域ほど肥満が多いという現象が
出現。

第2章 ハリケーン・カトリーナの被災を検証し、アメリカでは
命と安全すら保証されない貧困地域・家庭が増大していること
を暴いている。小さな国家、「官から民へ」という路線は、国家が
国民の安全と安心を守ることを放棄してしまったことを
国家の関係者自身が告白している。

第3章 一度の病気で貧困層に転落する人々
     小さな政府・民営化路線で国の医療費の大幅削減の
     結果、多くのアメリカ人が医療から排除されている。
     保険に入っていても医療費が異常に高い。
     盲腸の手術代: 日本は64200円
     入院費1日:12000円。
     日本では4日・5日ほど入院と盲腸の手術代で30万円以内
     ニューヨークでは1日の入院で 243万円もかかる。
     貧困層は盲腸の手術も出来ない。
     
      

午前11時半、昼食

午後12時半から1時間ほど昼寝。
午後2時から引き続き読書。「貧困大国アメリカ」

第4章  出口をふさがれた若者
      貧困層の若者は、軍隊の奨学金等のプログラム
      をもらうため入隊している。イラクに派遣されている
      多くの兵隊はアフリカ系アメリカ人やヒスパニック系。
      貧困層が多く、優秀でも学校へ行くお金がないので
      軍隊の作っている様々な特典を使うため入隊し、
      はからずもイラクに派遣され死んり、傷ついたり、
      精神を病んだりしている。

第5章  世界中のワーキングプアが支える「民営化された
      戦争」
       アメリカには戦争請負民間会社が多数存在し、
      貧困層を対象に多少高額な給与と引き換えに
      軍隊の代行をさせている。フィリピンやネパール 
      その他アジアの国々の貧困層を雇用して、
      イラク・アフガンでの戦争の「傭兵」としている。

一気に本書を読んだ。読み終わり「フーッ」とため息が出た。
自由と民主主義の国と思われていたアメリカの実態。
人間と人間の命と人生がまさに「商品」となっている。
階層格差が出来があり、生まれたときからどうしようもない
貧困の中から抜けられない社会システムになっている。
著者の堤氏は繰り返しこれが「新自由主義」の行き着く先と
指摘している。新自由主義(小さな政府・民営化)は、
結局、国民の命と財産、人生という国家が最低保障しなければ
ならない義務を放棄するものであると訴えているように
読み取れた。
今、日本で急速に進行している異常な社会現象。
年金が国家によって盗まれ、郵便局が民営化され、
後期高齢者医療保険が出来、75歳以上のお年寄りから
もお金をむしりとろうとしている。医療の質も低下する。
本書で現在進行形中の様々な出来ことが、アメリカで
既にその結果がでている新自由主義路線の結末で
あることが分かる。
多くの人に一読してもらいたい本である。
「ルポ 貧困大国アメリカ」(堤未果著 岩波新書 700円)
本書を贈呈してくれた京都「豊田観光」の豊田氏に深謝。

午後3時半、ベトナム事務所へ。ベトナム事務所は午後2時半から
停電とのこと。再び、「ハイリーホテル」へ戻り仕事。
午後5時過ぎ、バオミンさんが「ハイリーホテル」へ迎えに来る。
バオミンさんと一緒にフエ空港へ。上尾の星野さんの出迎え。
定刻より早く着陸。午後6時、出口に出てくる。

車でフエ市内のモーりンホテルへ。チェックイン。
その後、星野さん・バオミンさんとフォーサイゴンへ行き、夕食。
春巻き、豚の内臓炒め、チャーハンなどを食べる。

午後8時半、モーりンホテルへ戻る。日本料理店は、午後7時半
過ぎても停電。閉店とする。

午後9時、「ハイリーホテル」へ帰る。ハイ君が警備員として
待っていた。リー君と女子2名は、近くのインターネットカフェー
へ行き、チャットをやっているとのこと。

読書「源氏はおもしろい 十人十色」(瀬戸内寂聴対談)を読む。
瀬戸内寂聴と10人の源氏物語好きとの対談。
一人目は丸谷才一。
紫式部は藤原道長の愛人だった。当時の首相。道長との
寝物語に様々な「女性遍歴」を聞かされた紫式部が
その話をもとに作ったのが、「源氏物語」だというのが
丸谷才一氏の説。

投稿者 koyama : 2008年04月18日 08:49

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