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2007年08月29日

地球の歩き方Ⅲ 2日目:「国家に盗まれた年金」

晴天。蒸し暑い。夕方、雷と雨。

午前6時起床。疲れが残る。
午前7時朝食。フォー。

午前8時前、電動バイクでベトナム事務所へ。

ベトナム事務所の2階会議室では、日本料理店の
子どもたちが、英語の先生について英語の勉強。


午前8時過ぎ、地球の歩き方Ⅲ(39人)が
添乗員さんの案内でベトナム事務所を訪問。


税田さんの司会でベトナム事務所員が自己紹介。


税田さんよりフエ滞在中の生活上の諸注意。
①氷・水に気をつけること。(水道の水、氷は飲まない)
②常に水分の補給を。ミネラウオーターを常に携帯すること
③オートバイや自転車には乗らないように。
④「子どもの家」や高校などでの交流後に
 個人的な交流・付き合いはしないで欲しい。

その後、2階のベトナム事務所や3階の刺繍みやげ物店
を参観。

その足でバス2台に分乗し、ハンさん、ソンさんの案内で
「子どもの家」への歓迎会に臨む。

私はいくつかの大きな問題について、バオミンさん、
税田さんと意思統一。

9時40分まで打ち合わせを行い、急いで「子どもの家」へ。
午前10時から地球の歩き方Ⅲの皆さんに講演会を行う。
38人の学生さんを中心にしたスタディーツアーの参加者。
音楽室は満席となる。



午前11時半、講演会終了。

ハンさん、サンさんの案内で昼食レストラン「フォーザイゴン」へ。
昼食は「フォーザオ」。米の麺の野菜入り炒め。


午後1時、自室に戻り昼寝。1時間。

午後2時。11通のメール受信。5通の返信。

午後4時、日本語学校へ。地球の歩き方Ⅲの皆さんは
午後2時から「ベトナム語講座」。
フーン先生、石塚先生からベトナム語の基礎講座を
受ける。その後、日本語学校の観光基礎コースの
生徒と交流しながら実際にベトナム語を使ってみる。



午後4時半、「ベトナム語講座」終了。そのまま、「アオザイ」
作製。ベトナム事務所の隣りにバオミンさんのお母さんが
アオザイ店を開店。100%オーダーメイドのアオザイを
作る。布と縫い賃で3000円~4000円以内。


午後8時、スタディーツアー関係者と日本料理店で懇談。
午後9時過ぎ終了。

元ベトナム事務所員だった舟山さんご家族が日本へ帰国。
ホーチミン空港から電話で帰国の挨拶。義理堅い人である。

ーーーーーーーー

日本の自宅から郵便物が届いた。その中に「社会保険庁
年金加入期間の確認について」(ご案内)という葉書が
入っていたい。何だろうと開けてみる。
以下のような文章だった。以下、原文。

『あなたの基礎年金番号に登録されている年金加入期間
のみでは、年金を受けるために必要な加入期間を確認
出来ません』というものであった。

右側の「あなたの加入期間」という一覧表を見ると、
『国民年金加入期間 164か月』とあるのみ。
『共済組合等加入月数  0ヶ月』。

要するに年金受給に必要な25年間年金をかけていない
ので、年金は受給できません、
という手紙だった。

私は教員を23年間、勤めた。共済年金を23年間かけていた。
しかし、社会保険庁は、わたしのかけた23年間は記録にない
として、「0ヶ月」。つまり、私は共済年金をかけなかったと
ことになっている。23年間かけてきた共済年金の掛け金は
結局、国家に盗まれた状態である。

私は23年間共済年金をかけてきた。しかし、25年の受給資格に
ならないので、ベトナムに来てから国民年金を164ヶ月かけた。
13年6ヶ月。

社会保険庁は、国民年金13年6ヶ月間しかかけていなので
年金は一切出しません、という通告書を送ってきた。
国民年金支給は1ヶ月たった2万円程度である。その2万円程度の
国民年金支給の基礎年金部分すら支給を拒否。
その最大の原因は、23年間かけた「共済年金」を「かけていない」
と勝手に決め付け、通算しても国民年金の13年6ヶ月だけしか
年金はけけていないというのである。受給資格の25年にならない
というのである。

これだ。「消えた年金」というやつだ。
私は5000万件の一つの『消えた年金』の該当者になりました。
年金ゼロいという通告を国家から受けて、『消えた年金』
ということばを作った人間は、自分は「消えた年金」に入らない
マスコミか何かの人間だと分かった。自分が、23年間
共済年金をかけ、その後、13年6ヶ月国民年金をかけ、
合計で36年6ヶ月の年金をかけてきたのに年金受給資格は
ありませんと国家に宣告されてみて、「消えた年金」ではなく
『国家に盗まれた年金』
言わなければならないという気持ちになった。
これは明らかに国家による「詐欺」であり「犯罪行為」
である。

社会保険庁の葉書によれば、「文句がある人間は、自分で
社会保険事務所に行くか、共済年金事務所に行って
相談しろ」とのこと。どこに、何も悪いことをしていない
被害者が、自分で被害を証明しなければならない社会が
あるのだろうか?

冗談じゃない。こちらは何も落ち度はないぞ。
きちんと決められたお金を決められた期間以上納めている。
もし、間違いがあるのなら、社会保険庁、貴方たちの
事務上のミスでしょう。貴方たちが自分の力でしっかり調べ
るべきでしょう。

ミスを犯した犯人が、被害者に「自分で調べて申し出ろ」とは
どういう社会なのだろう。

真面目に36年間も年金をかけた私が、黙っていたら年金は
ゼロになってしまう、恐ろしい「美しい国」である。
安倍首相は参議院選挙で1年以内に問題を解決すると言った。
しかし、解決は、私が社会保険庁に行ったり、共済年金事務所に
行って、自分で解決するのです。安倍首相、貴方は選挙中、
年金問題は「安倍政権」「政府の力」で完全に解決しますと
言いましたね。しかし、実際は、私が黙っていらた年金は出ない
のですよ。政府は何もしてくれませんよ。私が自分で解決しな
ければならないのです。

法制上、年金は該当者が自己申告して権利が発生する。しかし
今回の「国家に盗まれた年金」は申請する以前の事務処理が
出来ていないという、全くもって政府行政の無能力から起こった
問題である。
国家権力による、私権の重大な侵害である。

情けない『美しい国』に生まれてしまったものである。
安倍首相は教育基本法を改悪し、「愛国心」を導入した。
これでも国家を愛せよというのだろうか?
国民に義務だけを強要し、国家は責任を果たさないだけで
なく、その尻拭いまで国民の押し付けている国家。

私は23年で教員を辞めてベトナムにストリートチルドレン支援
のため来た。年金は半減した。それでも国民年金に
加入し、受給年限を確保し、生活は出来ない年金額ではあるが
最低限の生活を覚悟し、老後を過ごそうと思っていた。

こんな小さな夢ですら、現時点では「木っ端微塵」に粉砕されて
しまった。怒り心頭に発するのである。ベトナムにいたのでは
文句一つ言えない、情けない状況である。

今朝、日本人5人で朝食を食べながら、「ネットカフェ難民」の
話をした。
新聞報道だと厚生労働省の調査では、全国で5400人が
ネットカフェー・漫画喫茶で寝ているという。
26%は20歳代、23%は50歳代とのこと。
私たちの話題に上ったのが、「ネットカフェ難民」の月収が
10万円強とのことだった。
私たちの毎月の手当ては、ネットカフェ難民の半分ほどの
ものである。という事は、私たちは今騒がれている
ネットカフェー難民以下の生活ということ。日本に帰ったら
最低限の生活もできない手当てではある。

国家に盗まれた年金、「ネットカフェー難民」以下の手当て。
ベトナム事務所で働いてくれている日本人のスタッフの
皆さんに申し訳なく思う。

これでも私たちは「愛国心」をもち、私たちを捨てた国を
愛さなければならないのだろうか?

我が家は父母と兄・姉が中国で国家に捨てられている。
そして、今回改めて私が国家に捨てられた現代の棄民。

それでも私は日本という国を愛します。日本人としての
自覚を持っている。国家に強制されない愛国心を
持っている。

自民党の玉沢元農相が領収書3枚を使い回し5枚の
ニセ領収書を作り377万円の架空の政治資金収支報告書
を作っていた。玉沢氏は衆院政治倫理審査会長だそうだ。
なるほど、政治家の倫理を審査する委員長はこういう
人物だったのか。自民党の政治倫理とはこういった
ものなのだ。「美しい国」とは、こうした権力を持った人間が
勝手放題にずるいことをしても良い国だったのだ。
権力者が好き勝手なことをする国が「美しい国」だったのだ。

こんなことを書いていたら、高村正彦防衛相(衆院山口1区)の
資金管理団体が、家賃のかからない議員会館を「主たる事務所」
として、三年間で約三千万円を領収書のいらない事務所費として
計上しているとの情報あり。1年間1000万円。
大変なお金である。毎月2万円の年金をもらうために
ベトナムでハラハラ・イライラしている。生活保護以下の
手当てしかない私たちのベトナムでの生活。
現在と未来の自らの低所得の行方を考えている時、
家賃のいらない自分の議員会館を
3000万円の領収書のいらない経費を計上してる
防衛大臣。「事務所の詳細は言わない」と『防衛』をしているそうだ。

私が今回「国家に盗まれた年金」は第一陣は年額たったの
24万円である。自民党の政治家は、数千万円のお金をちょろ
まかして、絆創膏でごまかしたり、説明しないと「防衛」している。
何か空しさと空虚さだけを感じる出来事であった。

「国家」というもの

アフガニスタンに布教活動に行った韓国キリスト教関係者が
タリバンの拉致され、男性二人が殺害され、女性二人が
解放された。今回、残りの19人全員が解放される見通し
とのこと。そもそもイスラム教のアフガンにキリスト教の
布教に行くこと自体、かなり大きな困難と問題を抱えていた。
相当、無謀な行動であった。

何年かの前の「高遠・今井」問題を思い出す。
日本政府高官が「自己責任」「帰りの飛行機代を返せ」など
イラクに入り、ストリートチルドレンや劣化ウラン弾問題の
支援に行った若者二人を攻撃した。
私は若者二人の行動を全面的に支持するものではない。
真っ当に海外支援をしている人間なら、このような単細胞な
活動はしない。しかし、高遠さん・今井君の行動はけして
間違ったものではない。方法に未熟なものがあったとしても
真っ当な活動であった。
自民党など政府高官は口汚く二人を攻撃した。
その時、二人に激励を送ったのは、アメリカのブッシュ大統領
だった。「素晴らしい日本の若者」と。
今回、韓国のキリスト教系の団体がアフガニスタンに入り、
キリスト教の布教をしている最中にタリバンに拉致された。
日本の政府高官が高遠さん・今井君の取った態度からすれば
これらキリスト教団を糾弾するはずである。しかし、韓国政府は
冷静沈着にタリバンと交渉し、殺害された男性以外の「解放」
にこぎつけた。これが、国家というものである。
日本の国家は、国民に異常に冷たい国家である。

投稿者 koyama : 2007年08月29日 19:41

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