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2006年10月13日
福島大学講演会
晴天。
午前中、通院。風邪と喘息治療。
家ダニの喘息。布団の交換(防ダニ布団)、喘息薬をもらう。
午後1時過ぎ自宅を出て、上野へ。上野から新幹線で1時間半。
福島駅へ。その足で福島大学へ。
数日寝ていた上、まだ体調が本調子ではないのでフラフラ
している。風邪と喘息で声がでない。困ったものだ。
東北新幹線車中で今日の授業の内容を再度確認。
大学で関係者と打ち合わせ。夕方生協食堂で「讃岐うどん」。
午後7時半から午後9時まで。経済学部・経済政策、地域経済
合同授業。
今回は「プチナショナリズム」についての私見を語る。
北朝鮮の核実験などに対抗すべしとして、日本の核武装を
主張する世論も出ている。日本の防衛力を強化すべきだ
との考えが若者を中心に広がっている。憲法「改正」、
9条の破棄などにつながる意見が、若者を中心に支持される
状況が一方にある。中国、韓国を一方的に非難する
空気も強い。
今日の授業は今までの私の講演会では話さなかった
新しい試みの授業であった。
ベトナムの9年生(日本の中3)の歴史教科書と日本の
中3の歴史教科書(東京書籍)を比較しながら、ベトナムでは
1940年から1945年までの「アジア・太平洋戦争」を
どのように教えているのかを講義した。更に「新しい歴史教科書」
ではどのように書かれているかも紹介。
ベトナムの国定教科書ではこの時期の記述は20ページ。
特に8月に入ってからのベトナム国内での半日運動、
日本軍国主義打倒運動、人民の武装蜂起などを詳細に
記述している。
日本の教科書は6ページ。読みやすくするため写真やイラスト
が多用され、実質的な記述は数ページ。
21世紀はアジアの時代といわれているが、アジアの若者が
どのような教育を受けているのかを知る必要があることを
強調した。ベトナムは国定教科書のためこの教科書を
全ての国民が使っている。少なくとも45歳以下の
国民はこの教科書で育った世代である。
講義の後、質問。「今日の授業を聞いて、少し自虐的な歴史
ではないかと思った。自分の国の暗いところを教えるのは
問題があるのでは?」との質問があった。
授業前に何人かの先生に最近の学生の状況を聞く。
政治的なことを話したがらない、自分の意見を言わない、
自分の意見と人の意見が違うのを嫌う傾向がある、
戦争・平和などの問題について、関心が薄い、
テレビやマスコミなどの影響を受けて、「戦後の
歴史教育は自虐史観だ」という意見を持っている
学生も多い・・・・。
あまり時間はなかったが、学生と話し合う。
この学生は大変真面目な学生さんであった。
しかし、日本の歴史の事実をきちんと学んでいない
ということが一方では、こうした「暗い歴史」観という
意見にうなずいてしまう原因なのかとも思えた。
午後9時半、福島大学経済学部の他の先生の
官舎を訪問、懇談する。
投稿者 koyama : 2006年10月13日 08:07
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