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2006年09月05日

グエンフエ高校開講式  「京滋YOUの会」料理教室成功

快晴。37度。
蒸し暑い。

朝から頭痛。倦怠。

今日はベトナム全土で学校の開講式。
日本流に言えば入学式兼始業式。
ベトナム事務所にも3つの学校から招待状が届いた。
私とミンさんはグエンフエ高校、税田さんとハンさんは
フールー小学校と手分けをして出席。

●フールー小学校開講式に出席する税田さん、ハンさん


午前6時50分。

バオミンさんと一緒にトゥア・ティエン・フエ省のトップ
進学校グエンフエ高校の開講式に参加。案内状は
午前7時開会とあった。午前7時に到着。既に生徒全員が
真夏の太陽の照りつける校庭に座って待機している。
私を含めた来賓は7時5分に校庭の前に設えた来賓席に
着席。来賓席には『二日酔い』のアルコール臭が漂う。
昨夜飲みすぎか?



しかし開講式は始まらない。省のお偉いさんが来ないのだ。
20分、真夏の太陽の下、省共産党のお偉いさんが来るのを
待つ。生徒は午前6時半から校庭で待機状態。
既に50分間待っている。
校門に黒塗りの高級車が入ってくる。省のお偉いさんは
そのまま校長室へ。校長室でお連れの皆さんと一緒に
ゆっくりとお茶を飲む。
生徒と私たちは結局30分以上も校庭の直射日光の中で
待たされる。

やっとお偉いさんが校長先生、副校長先生の案内で
お出まし。色々聞くと、フエの共産党のお偉いさんは、
必ず30分程遅れて会場に来るそうだ。
偉いので忙しい、従って遅れるとの理屈だそうだ。
こんな理屈でお偉いさんを1時間以上待たされる生徒は
たまったものではない。しかし、誰も批判できない所に
この国の悩みがある。

午前7時45分開会。来賓紹介。
・省祖国戦線議長
・フエ市共産党委員長
・省教育局副局長
・省労働組合連合副議長
・省ベトナム赤十字代表
・省ホーチミン青年団副議長
・地区人民委員会委員長
・JASS 小山
・SACOM銀行代表
・父母会会長

・国家静聴(テープで流れる国家を聴く)

・トーチ入場 (グエンフエ高校に贈られた労働勲章を掲げ)

●ベトナム国家主席(元ホーチミン市共産党委員長)の手紙代読
 ・興味深いことは、教育の分野での「賄賂」を厳しく取り締まる
  と、国家主席が手紙で主張していることである。

●校長先生の開講宣言(2006年9月から2007年8月)
  ・昨年度の卒業率は99、8%。大学進学率は57%。
  ・今年の新入生は795人。全校生徒数は2065人。

●省祖国戦線議長挨拶
●先生、生徒のカラオケ
●新入生代表挨拶(入試の成績1番の男子生徒)

1時間15分後に終了。
暑かった。

開講式終了後、校長先生、副校長先生(政治指導)に
「子どもの家」のターオさんが入学しているので
宜しくお願い致します、と挨拶。

●校長・副校長・ターオさんと

グエンフエ高校の新入生は795人。異常に多い。
今年から高額授業料を取る特別クラスを
4つ作ったとのこと。グエンフエ高校は省立高校でトップクラスの
高校である。100万人のトゥア・ティエン・フエ省の中学生の
憧れの高校でもある。入試の最低点は50点満点で40.5。
ターオさんは46.5点。
しかし、高額授業料徴収クラスは、50点満点中21点で入れる
特別クラスである。

一般入試で入った生徒の月謝は毎月5万ドン(400円)。
特別高額授業料クラスの月謝は60万ドン(4600円)。
一般入試合格者の10倍の授業料を払えば、合格できる
というシステムを全国的に作っている。

ターオさんのように100点満点で平均点93点を取って合格した
生徒と100点満点で40点程度で合格した生徒と一緒に
授業をするのは到底無理なことである。

この入試システムは同時に生徒の中に大きな差別を生む。
お金のある家庭は、成績が悪くても「お金でグエンフエ高校」に
入れるのである。同時に本当に実力で入った生徒とお金で入った
生徒とは能力の差もあり、一緒に勉強するのは難しい。
結局、お金組は特別クラスで「適当な授業」をし、
一般入試で入った生徒は高度な学習をするということになる。
何のことは、お金入試組は、グエンフエ高校のお金儲けの
ための「お客さん」的な存在となるのは必死である。
これも「ドイモイ」の教育政策の行き着くところである。
教育がお金に支配されることになってしまう。
「社会主義市場経済」などと立派な言葉で粉飾しているが
結局はお金が全ての社会を露骨に作り出す社会システム
を作っているといえるのである。
お金組で入った生徒はある意味でかわいそうである。
ベトナムでは、共産党や行政の幹部、お金持ちの親は
子どもたちの意向を無視して、小さいうちから家庭教師、
塾、ピアノなどの習い事をさせ、無理やり子どもたちに
「教育」を押し付けている。『社会的な地位』に見合った
進路を子どもたちに与えたいとの「社会的な見栄」である。
子どもたちもたまったものではない。
ベトナムのドイモイはこうした形でベトナム社会に
深刻な「金権体質」「拝金主義」を作り出しているのである。

グエンフエ高校の帰り、日曜日に家庭訪問した入所希望者
が「子どもの家」に来ているとの連絡が入り「子どもの家」に
行く。

高校1年生でフエ科学大に入学したNHANさんと父親が来ていた。


「子どもの家」の女子の部屋に入所。
持ってきた教科書などをロッカーに入れていた。左端。

CHUONG君(11歳)とTANちゃん(8歳)の兄妹と父親

3人の子どもたちが早く「子どもの家」に慣れて欲しいと
祈る。
 
その後ベトナム事務所で「子どもの家」の子どもの進路問題に
ついてバオミン・ベトナム事務所長と協議。
結局、朝食は摂れずに昼となってしまった。

午後3時。「子どもの家」の子ども、と言っても23歳になるのだが・・、
の進路について協議。フエ高等師範大学に入学することになった。
将来、小学校の音楽の先生になるコースである。

午後5時半。日本料理店スタッフと一緒に夕食。

午後9時。2週間フエに滞在し、1週間日本料理店のボランティア
をしてくれた平田さんのお別れ会をする。

「京滋YOUの会」主催ベトナム料理教室報告

9月3日に京都府国際センターと京滋YOUの会主催でベトナム料理教室を行いました。

メニューは、フォー、揚げ春巻き、緑豆ぜんざいの3品でした。30人近くの方が来られて大変盛況でした。教えていただいたのは、今回でお世話になるのは3回目の藤本定子先生でした。ベトナムやベトナム料理に興味を持っている方が多くいることを知って、嬉しく思いました。ベトナム料理を作るのは初めての方が多くて、戸惑うところもあったようですが、皆さん和気あいあいと楽しんで作っておられました。フォーなどはかなり現地の味に近かったような感じがしました。



最後に京滋YOUの会やJASSについて簡単に説明をして、来られた方にチラシをもらっていただきました。

今回習った料理は、11月25日に火焔樹の会の方が来られた時に一緒に作って交流する予定になっています。そしてさらに、来年のワンワールドフェスティバルでは、今回の経験を生かしてフォーと緑豆ぜんざいとベトナムコーヒーの店を出そうと張り切っているので、それまでに練習しておかないとなあと思っているところです。

やはり食べ物は生活の中で重要な位置を占めていますし、その国の食べ物を一緒に作って、料理を通してベトナムを知るというのはとてもいい試みだと思いました。食事をしながらだと話も弾みますし。これからもこういう機会を持っていきたいと感じました。

京滋YOUの会 team SAO 

投稿者 koyama : 2006年09月05日 18:50

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