2006年06月30日
休日
曇天。
「御宿かわせみ31 江戸の精霊流し」(平岩弓枝著:文春文庫)
を読む。
ベトナムのNHK海外衛星放送で時々見ていた番組の原本。
江戸の与力が殺人事件や様々な庶民の問題を解決する
内容ではあるが、江戸の庶民生活がしっかりと描かれている。
改めて江戸という大都市の生活を見直すと「豊かな生活」を
していたことが分かる。戦後の学校教育では「江戸時代は
封建時代で庶民は年貢に苦しみ・・・・」という記述が
多かった。こうした記述自体は正しいものだと思う。
同時に江戸庶民(当時世界最大都市であり最大の
消費大都市でもあった)が想像以上に共同体を作り
相互扶助・助けい合い、ボランティア精神旺盛な
生活をしていたことが分かる。この本の中にある
殺人事件の解決などはあまり面白いものではなかったが
平岩弓枝の書いた江戸庶民のなんでもない生活に
大いに興味を持った。多少、江戸についての知識がないと
イメージが作れない部分がある。平岩弓枝はそうしたことの
事細かな説明は一切しない。
例えば「猪牙」としか書かない。「ちょき」。私がこの言葉を
知ったのは、桂文楽の「船徳」という落語を聴いたときだった。
浅草に遊びに行く人が「ちょき(猪牙)」に乗り川風を楽しみ
ながら・・・という言葉があった。夜鷹・・・・・。
多少、読みにくい本ではあるが、江戸幕府末期の
東京の人間・庶民がどのような日常生活を送っていたが
が垣間見える興味のある本だった。
有田芳生の日記が今日で終わった。
2000年7月1日から書き始めたそうだ。
6年間。この日記から得たものは大きかった。
社会や政治を見る一つの「見方」だった。
6年間、ご苦労様でした。
投稿者 koyama : 2006年06月30日 10:22