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2011年01月20日

通院

午前8時半自宅を出て新宿都庁前NSビルへ。

心臓病院へ。

時間の予約をしていたのだが、結局、4時間病院にいることに
なってしまった。

心電図、レントゲン、血液採取を行い、診療。
次回の通院予約。

午後1時過ぎに全てが終わる。8000円支払い。


疲れる。自宅着。午後2時すぎ。
しばらく横になる。


杉花粉症発症。目が痛い。

地下鉄車内や病院で待っている間に「茨木のり子集」を読了。

半分詩集、半分エッセイ。

ーーー
「なかった」

武士道は なかった
敗軍の将は城を枕に討ち死とばかりと思っていたのに

武士道は なかった
上層部の逃げ足のはやさ 残留孤児は老い去りて

武士道は なかった
神州清潔の民は もっとも不潔なことをした近隣諸国に

武士道は なかった 
鷗外が外国でがんばったにもかかわらず

武士道は なかった
在ると信じて散った若者の哀しさ

武士道は なかった
かつて在りれんめんと続いたものならばなぜ急に消えうせた

武士道とは 古来
やくざの掟ごときものに他ならず

ところどころに消しがたく光る 金箔のかけらは
ふつうの人の ただふつうのやさしさや 行為の跡

騎士道も なかったわね
だからドン・キホーテが踊り出たのだ

ーーー
「鄙(ひな)ぶりの歌

それぞれの土から
陽炎(かげろう)のように
ふっと匂い立った旋律がある

愛されてひとびとに
永くうたいつがれてきた民謡がある

なぜ国歌など
ものものしく歌う必要がありましょう
おおかたは侵略の血でよごれ
腹黒の過去を隠しもちながら
口を拭って起立し
直立不動でうたわなければならないか
   私は立たない 座っています

演奏なくてはさみしい時は
民謡こそがふさわしい
さくらさくら
草競馬
アビニョンの橋で
ヴォルガの舟歌
アリラン峠
ブンガワンソロ
それぞれの山や河が薫りたち
野に風は渡ってゆくでしょう
それならいっしょにハモりましょう


ーーーー
よりかからず

もはや
できあいの思想によりかからりたくない

もはや
できあいの宗教によりかかりたくない

もはや
できあいの学問によりかかりたくない

もはや
いかなる権威にもよりかかりたくはない

ながく生きて
心底学んだのはそれくらい
じぶんの耳目
じぶんの二本足のみで立っていて
なに不都合のことあるや

よりかかるとすれば
それは
椅子の背もたれだけ

投稿者 koyama : 2011年01月20日 14:03

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