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2007年03月08日

地球の歩き方ツアーⅣ3日目、大学生協ツアーⅡ3日目

うす曇

気温が下がり、寒い。体調を崩すベトナム人多し。

午前7時45分、ズイタンホテルへ。

今日3月8日は「国際婦人デー」。
旧社会主義陣営では国家行事として行われていた婦人
擁護運動。ベトナムでは内容がほとんどなくなり、
男性が女性に花束を上げる行事に矮小化されてしまっている。
それでも町中に「3月8日、国際婦人デー、おめでとう」との
赤い横断幕が張り巡らされている。

地球の歩き方ツアーが宿泊している「ズイタンホテル」では、
担当者が女性宿泊者に花束を贈呈。


地球の歩き方ツアーⅣ班はシクロで「子どもの家」へ。
バオミンさん、ソンさんはオートバイで30台のシクロを
護衛する。私はバオミンさんのオートバイの後ろに乗り
「子どもの家」へ。

「子どもの家」到着後、子どもたち、料理主任のムオイさんたちと
近くのタイロック市場へ昼食の食材買出し。

午前9時半、「子どもの家」で子どもたちと昼食の料理


午前10時、「子どもの家」のT君(17歳)の退所式を行う。
セン委員長、ロック寮長、バオミン運営委員長、小山。
T君と母親が出席。

T君の母親はフエである男性と付き合いT君を産んだ。
その時点ではT君の父親は独身だと思っていたが、
実際には奥さんがいた。T君の母親は周囲の人たちから
「あなたは2号さん」などと言われ、男性にだまされたと
悟り、別れるが、周囲の目がありフエにいられなく
突然ホーチミン市に行ってしまった。
その後、T君の祖母がT君を育てていたが、育てきれず、
2000年、T君10歳の時、祖母がT君を「子どもの家」に連
れてきて入所。
入所時点で「母親不明」「父親不明」となったT君は
その後、7年間「子どもの家」生活し成長した。
昨年になり母親は17歳位になったT君の事が忘れられなく
「子どもの家」へ突然を連絡してきた。「ホーチミン市に住んで
いる。子どものT君を引き取りたい」とのことだった。
セン委員長、ロック寮長、バオミン運営委員長、ベトナム事務所員
などが協議。10数年前に姿を消した『お母さん』なる人物が本物か?
本物であったとしても生活能力があるのか? T君を帰しても
安心して母親に任せることが出来るのか? を検討した。
取り急ぎ、母親の戸籍を取り寄せ、警察、地元の人民委員会
等へ照会。母親が間違いなく「T君の母親」であることを確認。
次に母親にT君を養育する能力があるのかを調査した。
そこで分かったことは、母親はホーチミン市の親戚の家で
間借りしていること、小さな美容院を経営していることが判明。
「子どもの家」、ベトナム事務所関係者が協議した結果以下の
点を確認し、T君の退所を認めることにした。

①親子で生活することは子どもにとっては良いこと
②T君が母親との同居を望んでいること
③母親は自宅はもっていないが、親戚の家に住んでおり、
 小さいとは言え美容院を経営し、経済的にはT君を養育するには
  十分な生活能力があること

(セン委員長)T君の退所式を行う。母親の希望でT君を引き取りたい
         との申し出でがあり退所式を行う。
         小山代表をはじめJASSが長い間T君の面倒を
         見てきたことを忘れないで欲しい。
(母親) フエに住んでいた。ある男性と知り合いT君を産んだ。
     男性は独身だと思っていたが、奥さんがいて子どもも
     いたことが分かった。近所の人たちから「2号さん」などと
    言われ、フエにいずらくなりT君をおいてホーチミン市に
    行った。T君は祖母に預けた。その後、祖母がT君を
    育てていたが、祖母も仕事がなくなり老齢化し、T君を
    養育できなくなり、7年前に「子どもの家」へ祖母が
    預けた。
     長い間、日本の皆さん、「子どもの家」のスタッフの
    方々にお世話様になった。感謝したい。
(小山)現在は結婚しているのですか? 仕事は何をしてるのですか?
(母親)警察官と結婚し9歳の男の子がいる。小さいが美容院を
    やっている。家はない。親戚の家に間借りしている。
     今は家はないが生活は安定してきたので、T君を引き取り
    一緒に住みたくなった。ホーチミン市に戸籍を作ったので 
    そこにT君も入れたい。
     改めて日本の皆さんにお礼を言いたい。
(小山)T君はお母さんと新しいお父さん、新しい弟と一緒に
     住みたいですか?
(T君)はい。「子どもの家」の先生にお礼を言いたいです。
    長い間、お世話をして頂きありがとうございます。
(セン) T君に言いたい。新しいお父さんに注意されても
     直ぐに反撥して家出などをしないように。物事を
     しっかり考え理解して行動するように。
(小山)お母さんにお願いしたい。私たちはT君を7年間
    お預かりし養育し、17歳の立派な若者に育てた。
    これからホーチミン市での新しい生活の中で
    くれぐれもT君に十分な愛情をかけて育てて欲しい。
     新しい夫との間の子どもと区別をつけず、
     同じようにT君を愛して育ててください。
(セン)T君は小学校の頃は、成績最優秀だったが
    中学に行って成績がかなり下降した。
    ホーチミン市に行っても勉強など自立のための
    手立てをしっかりとつけて欲しい。
(母親)本人は絵が好きなので絵の勉強をしたいと行っている。
    将来は看板屋になりたいといっている。

(ロック寮長)それでは、お母さん、退所承諾書にサインを。

T君とは7年間の付きあいであった。
これからのT君の人生に何が待っているのかは分からない。
多くの荒波の中を掻い潜って生きてゆかなければならないの
かも知れない。T君の人生が幸多かれと祈るのみである。
日本の里親の皆さんにも心から感謝申し上げたい。

午前11時、昼食が出来上がる。地球の歩き方ツアーの
皆さんは子どもたちと一緒に昼食。


午後1時過ぎ、トンチンカンホテルへ戻る。
30分ほど昼寝。

読書「細雪」。下巻に入る。6割ほど読了。
三女雪子の恋人の病死をめぐる人間模様。
女性の細やかな内面の気持ちを細かく
描写している。

午後2時半、ベトナム事務所へ。
四日市大学の先生と学生さん(社会人学生)が
ベトナム事務所を訪問、午後6時までボランティア、
国際協力、ベトナム社会主義の実情などを話す。


午後6時半、全国大学生協ツアーⅡの夕食会。日本料理店にて。



投稿者 koyama : 2007年03月08日 11:57

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